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ドビュッシーの島々を訪ねて

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先日丸の内のMaruzenで本を探していて、フランスのピアニストのパスカル・ドゥヴァイヨンによる『ドビュッシーの島々-前奏曲を中心に-』という本が目に入り、帯の「さあ、乗船なさいますか?」という言葉に誘われ思わず乗船してしまった。

ドビュッシーの前奏曲を曲順ではなく11のキーワードにより分類し、楽譜を交えて詩的な言葉で解説したあまり類書にはない手法で書かれた本。

おそらくピアニストをターゲットとした本かと思うけれど、楽譜をほとんど読めない僕が読んでもとても興味深く、1曲の解説を読む毎に該当の曲を聴くという方法で数日かけて読了。

ドビュッシーが楽譜に込めた音楽革命への思いが朧気ながらわかりかけてきて、再びドビュッシーがマイブームになってきました。
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# by maru33340 | 2016-08-30 19:50 | 未分類 | Trackback | Comments(2)  

小雨降る朝に

立秋とは良く言ったもので、今週始めの暴力的な暑さを過ぎてこの二三日は少し過ごしやすく、今朝は昨夜から降り続く小雨も残り少しひんやりとしている。

昨日の昼間は赤トンボが飛び交う姿を見た。

毎年この時期になると

秋来ぬと目にはさやかに見えねども
風の音にぞおどろかれぬる
(藤原敏行)

という歌を思い出すのが常だけれど、今年もまた秋が隣までやってきている気配を感じる。
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# by maru33340 | 2016-08-14 05:40 | 未分類 | Trackback | Comments(3)  

朽ちたるものの美しさ

歳を重ねるに連れてオリンピックの中継を見ることが苦痛になってきている。

もちろん鍛えぬき、精進の果てにメダルをつかんだ勝者は美しいだろう。

しかし、勝った選手のガッツポーズより、負けて競技場を去る選手の後ろ姿の肩口の淋しさの方に美しさを感じてしまう自分がいる。

滅びゆくものに対する愛着は、日本では平安時代からあり『徒然草』にも書かれている。

「花は盛りに、月は隈なきものをのみ見るものかは」

「散りしおれたる庭などこそ見所多けれ」

「花の散り、月の傾くを慕うならひは」

(『徒然草』第137段)

こうした朽ちたるもの、名残を過ぎたものの美しさへの愛着は日本人独特の美意識で、それが食べ物でも戻り鰹や落ち鮎など盛りを過ぎたものを珍重する意識へとつながっているようだ…

 

 

 
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# by maru33340 | 2016-08-12 19:59 | 未分類 | Trackback | Comments(4)  

次第に明るむ夏空を眺めながらフォーレの歌曲を聴く

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日中は外出も危険な程激しい暑さで夜になっても気温は下がらないけれど、朝5時前の外気はさすがに少しだけ肌に涼しくて、暖かい飲み物を持ってベランダに出てひぐらしの鳴き交わす中、烏が二羽三羽と飛び立つのをぼんやり眺めていると次第に東の空が明るむのが見える。

最近は朝はこの時間に目覚めて音楽を聴いたり本を読んだりすることが多くて、それは一日の中でも大切な時間で、今朝はブログ知人の記事に触発されて無性にフォーレの音楽が聴きたくなり、久しぶりにスゼーとアメリングによる歌曲全集を聴き始めた。

フォーレの初期の歌曲の少し甘く息の長い旋律に身を委ねるように聴いていると身体の奥のしこりのようなものが少し溶けてくるような気がして、その感覚は少し吉田健一の文章を読んでいる時のたゆとうような感覚に似ている。
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# by maru33340 | 2016-08-10 05:32 | 未分類 | Trackback | Comments(4)  

ひぐらしの鳴く朝に

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この季節、朝は4時を過ぎれば明るく窓外ではひぐらしの鳴き交わす声がする。

晩夏のイメージの強いひぐらしの鳴く声を聞くと、いつも「ああ、もう夏も終わってしまうのか」と思うけれど、関東地方はまだ梅雨も明けていないよう。

この未明、何気なくwebでニュースを見ていてピアニストの中村紘子さんが逝去されたことを知り、言葉を失った。

先日来、相次いで亡くなった永六輔さんや大橋巨泉さんもそうだったけれど(そしてそんなことはあるはずもないけれど)何となく「この人はずっと元気で活躍し続けるのでは」というイメージのある人の訃報はどこか心の深い所にこたえる。

武満徹の最後のギター曲「森のなかで」を聴きながらその死を悼む。
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# by maru33340 | 2016-07-29 05:14 | 未分類 | Trackback | Comments(4)  

瀬戸内海の青い海と空

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現在開催中の展覧会の展示を終えてすぐ、息つく間もなく昨日迄4泊5日で高松まで出張に出掛けた。

炎天下での展示作業と夜遅くまでの取材対応に終われ、泥のように疲れ果てた。

そんな日々の中ではさすがに本を読む気力もなく、WALKMANで林美智子の歌う武満徹の歌曲集を聴くことと往復の列車から瀬戸内海の海と空の穏やかな青さをぼんやり眺めることが数少ない癒しの時間となった。

今日は代休。
手負いの熊のようにひたすら引きこもり、明日からの日々を過ごすために鋭気を養います。
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# by maru33340 | 2016-07-19 08:38 | 未分類 | Trackback | Comments(5)  

夏の朝のフルート&ハープ

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連日大変な湿気で、今朝も温湿度計を見ると気温29℃、湿度84%の標示。

やむなくエアコンを「除湿」でかけてモーツァルトのフルート&ハープの協奏曲をかける。

演奏は、オトマール・スウィトナー指揮シュターツカペレ・ドレスデン(ドレスデン・ルカ教会で録音)、フルートはヨハネス・ワルター、ハープはユッタ・ツォフ。

独奏・オケ共にけれんみ無く、少しいぶし銀の色合いの演奏は、落ち着いていて繰り返し聴いても全く飽きがこない。

2楽章のアンダンティーノは夢のように儚く美しく至福の時間を与えてくれる。

1961年録音だけれど、音もとても良い。

うっとおしい季節を一時忘れさせてくれる、まさにこれこそモーツァルト、という演奏は生涯の宝になりそうです。
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# by maru33340 | 2016-07-13 05:56 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(3)  

モーツァルト、旋律の悦び

ピアニストの青柳いづみこさんのブログを読んでいて、彼女がアンリエット・ピュイグ=ロジェ先生のインタビュー記事(『ムジカノーヴァ』1986年6月号)について書いた文章の中に印章深い言葉を見つけた。

ロジェ先生は、パリ音楽院でピアノ、作曲、伴奏、オルガンと即興など各部門を一等賞で卒業し、1933年には栄えあるローマ賞を受賞。
惜しくも1992年に亡くなられたが、日本の音楽・教育界に与えた影響ははかりしれない人とのこと。

先生は「日本の小さい子供たちが弾くモーツァルトを、どんな風にお感じになりますか?」という青柳さんの質問に、次のように答えている。

「日本にオペラ座がないのが、とても残念です。モーツァルトのピアノ曲は、まず何よりも彼のオペラのイメージなのです。子供には、ソナタや協奏曲のレコードより、オペラを沢山聴かせたいですね。ソプラノのヴォカリーズ、女声と男声の重唱、オーケストラ、そしてダンス・・・。モーツァルトは、勿論立派なフーガだって書けたのですが、彼はそれよりも、旋律を豊かに装飾する方がずっと好きでした。モーツァルトを弾く上で一番むずかしいのは、音の粒をそろえることではなく、フレージングの曲線をうまく表現することなのですよ」

なるほど。

ここ数日(あまりに残念な政治的現実から逃避するように)モーツァルトの音楽ばかり聴いていて、彼の音楽のもたらす喜悦の感覚や浮遊感に改めて心奪われていたから、先生の発言がストンと胸に落ちた。

モーツァルトの音楽にある旋律の優美な曲線が、理屈抜きに僕の心を晴れ渡った空に遊ばせてくれ、そのことが一抹の哀しみと共に微かな生きる悦びを与えてくれていたのかも知れない。

まだしばらくはモーツァルトを聴く日々が続きそうだ。
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# by maru33340 | 2016-07-11 07:15 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(4)  

夏の朝の清潔な音楽

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数あるグレン・グールドのアルバムの中で、バッハ以外の作曲家のアルバムで好きなものは、一つはブラームスの間奏曲などによるアルバム。

瞑想的で、心の中の深い淵を一人降りていくようなその音楽は、まさに夜の音楽で、昔から心沈む夜などに折に触れて聴いてきた。

もう一つは、イギリスルネサンス時代の作曲家のバードとギボンズの作品によるアルバム。

グールド自身このアルバムを気に入っていたようで自身の「一番素晴らしいアルバム」にこれを挙げている。

古紙に印刷されたようなジャケットも鄙びていて味わいがある。

典雅で気品に溢れメランコリックでやはり瞑想的な趣を持つこのアルバムは、一方で華やかな側面を持っていて、夏の朝、ようやく陽が昇り始めて、空がうっすらと明るみ初める時間に聴くのにふさわしいようだ。

浮き世は、憂き世。

暴力と喧騒に満ちた昼間の時間は煩わしく、人気のない夜中から明け方にかけての無垢な時間にバードとギボンズの清潔な音楽を聴くことは微かな心の慰めとなる。
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# by maru33340 | 2016-07-07 05:00 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(4)  

イギリス音楽を聴く心は

今朝はジャックリーヌ・デュプレによる哀愁に満ちたエルガーのチェロ協奏曲を聴き、今宵は往年のイギリスの名指揮者サー・ジョン・バルビローリ指揮による風のそよぎのようなディーリアスの管弦楽曲を聴く。

何れも少しマイナーでローカルな味わいに満ちた佳曲たち。

ふと気がつけば、これらの曲を突然聴きたいと思ったのは、イギリスがEUから離脱するというニュースを聞いてから。

どうも地に足のつかないグローバル化という時代の流れに少し疲れてしまって、そこから距離をおこうというイギリス人の判断に心の奥で共感しているのかも知れない。
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# by maru33340 | 2016-06-30 22:21 | 未分類 | Trackback | Comments(4)