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『徒然草』と井上陽水の歌詞

『徒然草』を少しずつ読んでいると、所々に、厭世的でありながら、そこを突き抜けた言葉がある。

例えば、第七段より。

「化野の露、消ゆる時無く、鳥部山の煙、立ち去らでのみ、住み果つる慣らひならば、いかに、物の哀れも無からん。世は、定め無きこそ、いみじけれ。」

ここには、この世は無常であるとしながら、それ故にこそ、人は「ものの哀れ」を知り、そのことによって人は人となるのだ、という強靭な思考がある。

「弾き語りパッション」での井上陽水の歌詞(歌唱)にも、とてもパセティックで虚無的な歌詞(歌唱)の中に、そこを超え出ていこうとする人間という存在の尊厳に対する、暗く深い賛歌のようなものの存在を感じるのだ。
Commented by Ich at 2010-05-19 09:06 x
井上陽水はIchも彼のデビュー当時と思われますが‘手紙’というタイトルでしたか・・・定かではありませんがラジオから流れてきて深いものに引きつけられました。maruさまの感動文にも深い表現が如実に現われています。
Commented by k_hankichi at 2010-05-19 18:13
僕もMARUさんと同じ感覚です。よく、よく耳を傾けていくと、虚しさからアカルサを見いだしていく、諦観とは違う生きていこうという力があると思います。
Commented by maru33340 at 2010-05-19 23:25
Ich様
機会があれば是非一度お聞き下さい。
Commented by maru33340 at 2010-05-19 23:27
はんきちさん
何度聞き返しても飽きる事がありませぬ。
by maru33340 | 2010-05-19 00:29 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)

音楽・本・映画などについての私的な感想


by maru33340
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