2010年 07月 19日
丸山眞男の願ったこと
何れも積ん読のままで、いつか読まれる事を待っている状態だけれど、最近刊行された中野雄による『丸山眞男 人生の対話』は、丸山に身近に接してきた著者により書かれた読みやすい本なので、この連休中読み続けている。
この本の中に丸山が晩年に至るまで願い続けていた事として、次のような言葉があった。
「主体性をもち、精神的にも独立した個人が、属している組織、業界などの壁を越え、共通言語を持つ知的共同体の一員として、一切の肩書きなしに、自分の姓名と発言、行動の内容だけで社会の中で屹立しうる人間になること、他人をも、そういう眼で見られる人間になること―更に、そういう人物が、たとえ一人でもいい、この国に増えること」
この思いは、まさに丸山眞男の著書の全ての底に流れる通奏低音なのだ。
及ばずながら、そして遅ればせながら、自身のこれからの人生の羅針盤にしたい言葉であります。