2010年 08月 11日
ゆったりとしたレントラーのテンポで、いくぶんぎこちなく大いに粗野に
僕は今までこの指揮者の演奏は聴いた事がなかったけれど、この演奏の事は気になっていた。
1966年、いわゆるPrahaの春の2年前、彼がカナダに亡命し、小澤征爾の後任としてトロント交響楽団の指揮者に就任する前のチェコ・フィルハーモニィとの演奏。
緻密でありながら情熱的、洗練と粗野の交錯が、この曲に新鮮な光をあてて出色の演奏だが、その特色を最も明らかにしているのが2楽章。
普通9番の交響曲の中で忘れられがちなこの楽章が、スリルと野趣に満ちた興味深い曲になっているのだ。
3楽章のラストも凄い。
残暑を忘れる快演です。