2010年 09月 25日
含羞といふこと~二つの態度から~
球場からの声援とベンチのチームメートの拍手を受け、初めて帽子を取り声援に応えたが、笑顔はなかった。
チーム成績が不振の中、自身の記録のためにプレーしていると批判された2008年のシーズンの事がトラウマになり、素直に喜びを表現出来なかったのだろうか。
彼は「チームメートが祝福してくれているのを見て、喜んでもいいのかなと思った。」と語った。
想像を絶する努力とプレッシャーの中で記録を達成しても、人はそれほど自己を律せねばならぬのかと気が遠くなるよう思いがする。
一方…
尖閣諸島沖の衝突事故で逮捕された船長は、釈放され中国政府のチャーター機に乗り込む際、高々とVサインをしながら乗り込んだ。
中国政府はこの事件で、謝罪と賠償要求の声明を出した。
この釈放には中国、アメリカとの外交関係に伴う政治的判断があったであろうが、今はその事は語るまい。
ただ、同じ時期に起きた二つの態度にある、「含羞」の有無に、片や「美しさと哀しみ」を感じ、他方に「傲慢と怒り」を感じるということだけは、せめて書き留めておきたい。
あとでひとりで喜びを噛みしめるのでしょう。