2011年 06月 23日
シンボルスカという詩人に就いて
今日から読みはじめた幅允孝(ブック・ディレクター)の『幅書店の88冊』という本で初めてその名前と作品を知った。
シンボルスカは「私は知らない」という言葉を自分に問いかける重要性を説く。
自分にとっての「私は知らない」をたくさん発見すること、それは何も宇宙や秘境を旅することではなく、街を歩いていて見かける些細な石ころなどをやたら注視したくなったとか、目の前にある沈丁花のつぼみが膨らんだとか、多分そんな視点が世の中を具体的にかえる最初の歩みになるとシンボルスカは言う。
それは随分小さな一歩のように思えるけれど、大股に見える幻影の一歩よりも、確実に力強い歩みだ。
そして、そんな「起きるに値する朝」を毎日繰り返して生きることが、世の中を実際に変える最小単位となるに違いない。