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『野蛮な読書』(平松洋子著、集英社)

エッセイスト平松洋子の本を初めて読んだのは『夜中にジャムを煮る』(新潮文庫)。

料理を巡るエッセイでありながら「今日は何も食べたくない」などというタイトルで、ものを食べたくない気持ちを正直にすっきりした文書で書く。

甘えた所がなく、自分をつき離したようなユーモアがある。

この人は大層な文章家であると感服し、新刊の『野蛮な読書』を読み、改めてその真価を知った。

読書を巡るエッセイが13篇。

何れも起承転結がしっかりしていて、その視点に一本筋が通っている。

書物を味わうのに、美味しいものを味わうように食し、官能的な文章でその魅力を語る。

誰にも支配されず、しかし独断的ではない独自の視点は、佐野洋子や武田百合子の文章に通じるものがある。

今後この人は小説を書くのではないかという予感もあり、また読んでみたいという期待がある。

早速既刊のエッセイを買いに本屋に走らなくては。
Commented by k_hankichi at 2012-01-09 18:00
がつがつしていない人、であるような気がする。そういうこと、生きていくうえで実はとても大切なのですが、どうも最近・・・。読んだことがないので、読んでみたく。

From はんきち:酒を呑むことにはがつがつ。
Commented by maru33340 at 2012-01-09 20:51
この人の文章は良いですよ。お薦めです。
by maru33340 | 2012-01-09 10:35 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)

音楽・本・映画などについての私的な感想


by maru33340
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