2012年 05月 03日
映画『ル・アーブルの靴みがき』は、まさに至福の人間賛歌
予定していた谷中の「一箱古本市」巡りはやめて、渋谷まで(この町は苦手だけど)マキ・カウリスマキ監督の映画『ル・アーブルの靴みがき』を観に行く。
カウリスマキ監督の作品は気になりながら、今まて観ていなかった。
この映画は、北フランスの港町ルアーブルの裏通りを舞台に、庶民の生活を描いた作品。
何より面白かったのは、カメラワーク、台詞回し、登場人物が、まるで初期の小津の喜劇にそっくりな事。
観終わって、心に暖かいものが残り、雨の一日のうっとうしさをも忘れさせてくれる、まさに至福の人間賛歌でした。
これからカウリスマキ監督の作品を、過去にさかのぼって観なくては。
神はスカイツリーのような高いところにはいないし高みからはみつからない。 地上低く、貧しく、しかし、決して卑屈ではなく日々を精一杯に生きている、そういう人たちの中に神がいる。 そういう人たちが奇蹟を起こす。 眦を決して、ではなく穏やかな笑顔をもって。 アキ・カウリスマキ監督の信仰告白のような映画自体がそんな奇蹟かもしれない。 アフリカに生まれたというだけで、家族そろって生きていくことすらかなわない難民。 目の前にあるその不幸に非情な政治、ちらっと登場する神学論争を戦わす神父た...... more
色遣いのきれいな監督(美術担当?)だったような記憶があります。
やはり赤が特徴だったかな。
人情噺に通じる世界ですね。良い映画ですよ。
笑っちゃう程、随所に小津です。