人気ブログランキング | 話題のタグを見る

スカルラッテイと中也

昨夜から、吉田秀和さんが文学について書いた文章を集めたエッセイ『文学のとき』を拾い読みしている。

何度か読んでいる中原中也の思い出について書かれた文章は、今改めて読んでも、まるでたった今書かれた文章のようにみずみずしい。

ホロヴィッツの弾くスカルラッテイのソナタを聴きながら読んでいると、中也の詩のもたらす、表面はおだやかだけれど、その奥を覗きこもうとすると、思わぬ深淵に引き込まれそうな力を一層強く感じてしまうようだ。

虚無を見つめる視線が、スカルラッテイと中也は良く似ているような気がする。
Commented by k_hankichi at 2012-06-24 21:10
虚無を見つめる視線の類似性、興味深いです。ところでホロヴィッツは、僕はほとんど近寄って居ない。しかし、レコード芸術の7月号の最後の『之を楽しむ者に如かず』で、吉田さんはこのように書いていて、僕は、ああこれをきちんと聴かねば、と思った。

“あの人のスカルラッティは今日の趣味とは違うかもしれないが、ホロヴィッツがひくとスカルラッティは最高のヴェネチアン・グラスの花瓶みたいに美しく粋な工芸品みたいに鳴ったのではないか。”
Commented by maru33340 at 2012-06-24 22:15
ホロヴィッツとポゴレヴッィチのスカルラッテイは僕には双璧です。是非聴かれたし。
Commented by Ich at 2012-06-25 14:25 x
吉田秀和氏の表現はやはり素晴らしいですね。
Commented by maru33340 at 2012-06-25 19:11
Ich さま
また読み返しています。
by maru33340 | 2012-06-24 17:03 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)

音楽・本・映画などについての私的な感想


by maru33340
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31