2012年 06月 26日
マーラーの歌曲のこと
しかし、今日松浦寿輝の小説『半島』を読みながら、頭の中でマーラーの「亡き子をしのぶ歌」が聴こえるような気がして、バーンスタイン指揮ウィーンフィルの伴奏でトーマス・ハンプソンが唄うマーラー歌曲集(亡き子をしのぶ歌、さすらう若人の歌等)を聴き始めた。
これは実に素晴らしいアルバムだった。
ハンプソンの歌は素直で若々しく、これに対して、バーンスタインの指揮は晩年の特長であるゆっくりしたテンポで思い入れをこめて歌われる。
(ここでは、バーンスタイン自身がまるで手負いの獅子のようなダミ声でうなりまた歌っている。)
ウィーンフィルの弦は、甘く失われた過去を悼むかのように響く。
これは、しばらく愛聴しそうです。
本当に、聴いているとどこか遠い世界に連れていかれそうな気がする程美しい演奏です。