2013年 03月 30日
山桜とレクイエム
散る木のもとに行きかへるらん
周防内侍
僕の勤めるアートハウスの庭の山桜は、今が満開。
入口の桜並木のソメイヨシノは、風に吹かれてさらさらと花吹雪が舞う。
毎年春になると咲く桜を、こんなに心待ちにするようになったのは、この二三年のこと。
特に二年前の震災の後には、しばらく本を読んだり音楽を聴くことも出来なくなり、まるで毎日白昼夢の中にいるような心持ちでいたけれど、そんな季節にも桜の花は美しく咲くのを見ながら、もし地球上から人類という生き物がいなくなったとしても、こうして桜の花は毎年春になれば咲き、そして風に散っていくのだなあ、などとぼんやりと考えていた。
今日はお休み。
ビクトリアのレクイエムを聴きながら、桜の花がまるで終わりないように散りしきる風景が心の中に浮かぶ。
午後からは、今年の桜の姿をとどめるために、カメラを持って出かけようか。
散る桜は、やはりあやしいまでの美しさがあり、僕を酔わせます
やはり、散る桜にはなにか妖しい力があるようです。