2013年 07月 18日
時の忘れもの―ゲザ・アンダのモーツァルトのこと
これは本当に聴いていて溜め息が出るほど美しい演奏だ。
アンダのピアノの音は純粋で透明である。
しかし、時折テンポを微かに揺らす時には、まるで木漏れ日の中で光を感じながら、澄んだ明るい空を眺めている時に、時折そこにうっすらとした翳りが漂うような心持ちがする。
まるで儚い淡雪のような美しい夢の時間が、ほんの一瞬現れ、手を伸ばそうとすると消えてしまうよう。
特に20番の1楽章カデンツァに入る前、一瞬の間を置いてテンポを落として最初の音が奏でられる時には、そこだけ時間が止まったかのような至福の瞬間が現れる。
こんなに美しいモーツァルトには滅多に出会えないと思う。
時々訪問させていただき、勉強させていただいています。久しぶりのコメントで申し訳ありません。
ピアノ協奏曲20番と21番、全く違う音楽のようですが、さずがモーツアルト、「儚い淡雪のような美しい夢の時間」と言う表現、大変共感致しました。
私は、どちらかというと苦手だったブルックナーの生演奏を聴いて、すごく感激しました。ブルックナーについてわかる範囲で魅力について書いてみました。目を通して理解の誤りなどご意見などいただけると感謝いたします。
モーツァルトにはスマイルが似合います。