2013年 07月 18日

時の忘れもの―ゲザ・アンダのモーツァルトのこと

ゲザ・アンダが晩年(といってもまだ52歳)にウィーン交響楽団を弾き振りしたモーツァルトのピアノ協奏曲20番・21番の演奏を聴いている。

これは本当に聴いていて溜め息が出るほど美しい演奏だ。

アンダのピアノの音は純粋で透明である。

しかし、時折テンポを微かに揺らす時には、まるで木漏れ日の中で光を感じながら、澄んだ明るい空を眺めている時に、時折そこにうっすらとした翳りが漂うような心持ちがする。

まるで儚い淡雪のような美しい夢の時間が、ほんの一瞬現れ、手を伸ばそうとすると消えてしまうよう。

特に20番の1楽章カデンツァに入る前、一瞬の間を置いてテンポを落として最初の音が奏でられる時には、そこだけ時間が止まったかのような至福の瞬間が現れる。

こんなに美しいモーツァルトには滅多に出会えないと思う。
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by maru33340 | 2013-07-18 06:15 | お勧めの本 | Trackback | Comments(8)
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Commented by k_hankichi at 2013-07-18 08:24
ほんとうに美しい、ということが伝わってくるなあ、君の書いたことからは。
Commented by desire_san at 2013-07-18 14:06
こんにちは。
時々訪問させていただき、勉強させていただいています。久しぶりのコメントで申し訳ありません。

ピアノ協奏曲20番と21番、全く違う音楽のようですが、さずがモーツアルト、「儚い淡雪のような美しい夢の時間」と言う表現、大変共感致しました。

私は、どちらかというと苦手だったブルックナーの生演奏を聴いて、すごく感激しました。ブルックナーについてわかる範囲で魅力について書いてみました。目を通して理解の誤りなどご意見などいただけると感謝いたします。
Commented by KawazuKiyoshi at 2013-07-18 16:39
20・21番
綺麗ですねー。
今日もスマイル
Commented by およう at 2013-07-18 21:25 x
ゲザ・アンダは23番も弾いていますか?聴いてみたいです。
Commented by maru33340 at 2013-07-18 23:14
はんきちさん
本当に美しい事を、本当に美しいという言葉を使わずに書くのがあるべき道ではあるのですが。
修行不足です(>_<)
Commented by maru33340 at 2013-07-18 23:18
desire さん
コメントありがとうございます。勉強といわれると恥ずかしくて穴があったら入りたくなります(^^;
これからもよろしくお願いします。
Commented by maru33340 at 2013-07-18 23:19
かわずきよしさん
モーツァルトにはスマイルが似合います。
Commented by maru33340 at 2013-07-18 23:21
おようさん
アンダにはモーツァルトのピアノ協奏曲全集があるようです。
このblogの演奏は全集より随分後の演奏なので、ニュアンスは異なるかも知れませぬ。


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