2013年 07月 31日
黒沢明の映画『どですかでん』と、何故か「あまちゃん」の共通点
その言葉の響きから僕は、黒沢明の映画『どですかでん』(1970年)を思い出した。
黒沢としては異色の物語で、こんなストーリーである。
とある郊外の街の貧しい地域。
知的障害のある六ちゃん(頭師佳孝)は、毎日近所に出かけては、他人には見えない電車を運転している。
内職職人の良太郎(三波伸介)は、妻が浮気性なため、子供をたくさん背負っている。
穏やかな性格の島さん(伴淳三郎)は、会社の同僚を家に連れてくるが、無愛想な妻の文句を言われて激怒する。
乞食の父親(三谷昇)は、いつも息子に夢想話を語っている。
平さんは(芥川比左志)物静かで謎の多い人物。
街の長老・たんばさん(渡辺篤)は、家に押し入った泥棒に金を恵む。
ここに暮らす人たちは、変わった人ばかりである。六ちゃんはその中で電車を走らせ、日は暮れてゆく。
こうしてストーリーを紹介していても実に変な話である。
この作品の前の黒沢作品は三船敏郎の『赤ひげ』であり、この『どですかでん』は興業的にも失敗し、以降10年間黒沢は日本映画界から遠ざかることになる・・・
とここまで書きながら、僕は実はこの映画を観ていないことにふいに気がついた。
「あまちゃん」の脚本家である宮藤官九郎が、「全ての映画の中でこの作品が一番好き」と語っていることも、少し調べて初めて知った。
そういえば、「あまちゃん」もまた、ストーリーだけを書けば「少し変わった人たちの繰り広げるヒューマンコメディー」と言えるわけで、もしかすると「あまちゃん」の原点は『どですかでん』なんじゃないか、という気がしてきた。
じぇ、じぇ!
『どですかでん』をTSUTAYAで借りてきて観なくちゃ。
ちょっとオーバー^_^ですが、お先に観てしまってごめんなさい。‘ゆれる’と共に^^ ‘どですかでん’豪華俳優!ごてすか・・・。