新・クラシック音楽と本さえあれば

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2013年 10月 30日

穏やかな陽だまりのようなシュ・シャオメイのバッハ

中国のピアニストであるシュ・シャオメイの弾くゴルトベルク変奏曲のアルバムの評価が高いことは、何となく知っていたけれど、今まで聴かずにいた。

ところが最近読んだ青澤隆明著『現代のピアニスト30』に書かれた、次のようなシュ・シャオメイのゴルトベルク変奏曲の演奏評を読んでとても興味を覚えた。

「分を弁えた、謙虚な佇まいだ。ロマンティックな情緒に溺れない節度をもち、程よい歌心を偲ばせながら、伸びやかに流れすぎることなく、内省的な繋留を保つ。技巧も機械的な質感を帯びることがない。だから、コラールのように敬虔な歌が、内心からの語りかけをもって、全体に滔々と歌い継がれる。響きはしかし、澄んだ清らかさというより、柔らかで、地味に温かく濁ってもいる。それは、河のように流れ、現実に立ち止まらずに、弛まぬ生成を繰り返す。」


この本は、時に思弁的に音楽を語りすぎるきらいがあるけれど、未知のピアニストへの道標としては、貴重なもの。

今回初めてシュ・シャオメイの演奏を聴いてみて、確かに一度聴いてその工夫に驚くような才気煥発というような演奏ではないけれど、とても安心感があり、繰り返し聴くほどに味わいが深まるような、大人の風情を持つ演奏であると感じた。

折に触れて聴き返したいと思う。

J.S.バッハ: ゴルトベルク変奏曲BWV988 (Jean-Sebastien Bach: Variations Goldberg / Zhu Xiao-Mei, Piano) [輸入盤・日本語解説書付]

シュ・シャオメイ / MIRARE / King International


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by maru33340 | 2013-10-30 07:10 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(3)
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Commented by k_hankichi at 2013-10-30 08:20
聴いてみたいな。ピアニストの顔、思索家のようですね。
Commented by およう at 2013-10-30 11:37 x
ここのところ中国の演奏家が秀でてきていますねー。時代は刻々と移り変わっていく・・・。
Commented by maru33340 at 2013-10-31 08:12
はんきちさん
おようさん
この演奏はなかなか滋味深くしっとりと心にしみます。


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