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永劫の時、桜咲くこと

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勤務先に咲く桜が満開になった。

早くも風に舞う桜を夢うつつの中で眺めながら、この景色に似合う音楽は何だろうとぼんやり考えて、やはりバッハ、それも無伴奏チェロ組曲の一番の冒頭を思い出した。

ゆっくり深呼吸をして、弓をおもむろに弦に置き、最初の音を出す。

ゴンドラに揺られるような、最初の七音が始まり、その旋律が緩やかに繰り返される。

この音楽を聴くと僕は何時も、麗らかな春の朝、両岸に満開の桜の花が咲く水郷を、一艘の舟が音もなく静かに流れていく姿を思い出す。

その舟にはミレーの描いたオフェーリアに似た少女が、まるで眠っているような姿で横たわり、そこに桜の花弁が一ニ片降りかかる。

バッハの音楽は、いつの間にかやみ、舟の姿も消えて、時間の流れさえ消えたように、ただ桜を映す水郷がゆるやかに漂うばかり。

永劫の時間という言葉にバッハの音楽ほど似合うものはない。
Commented by およう at 2014-03-31 10:50 x
静かに静かに永劫の時がバッハと共に伝わってきました。
Commented by maru33340 at 2014-04-02 19:53
このように静かな日々を過ごしたいと思います。
Commented by k_hankichi at 2014-04-05 22:05
花のことや美しさのことを考えていると、だんだんとこのように、薄桃色ともセピア色ともつかぬ世界になっていくような気がします。
Commented by maru33340 at 2014-04-07 21:38
そうなんです。
そういう心境なのであります。
Commented by およう at 2014-04-10 11:19 x
maruさまー!ご機嫌いかがでいらっしゃいましょうか・・・。
Commented by maru33340 at 2014-04-10 22:05
おようさん
年度末、新年度でこぴっと多忙のためblog更新が出来ずご心配おかけしております。
元気でやっておりますから、心配しないでくりょう。
by maru33340 | 2014-03-31 09:02 | 未分類 | Trackback | Comments(6)

音楽・本・映画などについての私的な感想


by maru33340
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