2014年 06月 02日
藤田嗣治の装丁でモーツァルトを聴く
少し調べてみるとこの女性は、このCDの演奏者のフェリシア・ブルメンタールという1908年生まれのピアニストで、確かにこの肖像画は藤田嗣治が1957年に描いたものであった。
フェリシア・ブルメンタールはポーランド生まれのピアニストで、10歳でコンサートデビューし、将来を嘱望されたが、1942年にナチスの台頭してきたヨーロッパを離れて、夫であり画家のマルクス・ミツネとともにブラジルに移住。
戦後、1962年にミラノに、1973年にロンドンに移住し、1991年演奏旅行の最中にイスラエルで客死した。
そのレパートリーは、バロック音楽から南米の現代音楽までと多彩だが、録音はマイナーレーベルのみであり、今や幻のピアニストの一人であるらしい。
このCDのモーツァルトのピアノ協奏曲の演奏(1971年録音)は、端正で溌剌としていて、現代音楽を得意としていただけあり切れ味鋭いなかなかの名演。
レオポルド・ハーガー指揮ザルツブルグ・モーツァルテウム管弦楽団の伴奏も澄んだ音色が心地よい。
これはもしかすると、隠れた名盤ではあるまいか?
ともあれ、発掘なさったCDは珠玉の名演奏、砂に埋もれたダイヤモンドに相違ありません。こういう掘出物があるから、中古屋巡りはやめられませんね!
呼ばれましたね(^^;
確かにフジタも彼女の演奏聴いたのでしょうね。
フェリシア・ブルメンタールを検索していておじゃましました。
私も最近この人の20番21番のLPを入手し、ブログ記事にしたものですから。
トリオレコードが隠れた名演を探していたときの1枚かもしれません。