2014年 06月 11日
初期上村松篁絵画の写実の凄み
昨日一昨日と次回、次々回アートハウスの展覧会の企画の参考のために、京都に出かけた。
一昨日は京都国立近代美術館で開催中の上村松篁展を見る。
これはとても素晴らしい展覧会だった。
僕が知っていた上村松篁の作品は、70代以降の、鳥や花を象徴的に描き心穏やかな気持ちになる作品だったけれど、今回の展示で初めて見た若き日(まだ10代)の卒業製作として書かれた鳥の絵画は、時物の背後にまで眼を届けようとするまでの激しい写実への意思を痛いほど感じる。
若き松篁が、飽かず写生を続けた金魚もまた、今にも画面から跳ね出て来るのではないかと思うほど、生命力に溢れている。
展覧会カタログを買い求め、宿に帰りそれらの絵画を眺めたけれど、本物の持つ見るものを惹き付けて離さない力はそこにはなかった。
やはり、現物だけが持つ力があることを改めて痛感した。
京都はちと遠いですが、出来ればあの写実の妙味をご覧いただきたいです。
本物だけが持つ静かで奥深い世界がここに確かに存在しています。