2015年 01月 13日
本を読むことは旅をすること
明後日からアートハウスで始まる「工藝を我らに」という展覧会の参考にと読み始めたけれど、やはり三谷さんの文章には、日々を丁寧に生きる人の肌触りがあり、読んでいると心が落ち着いてくる。
例えば、こんな文章。
「本を読むことは、自分の部屋に居ながらにして、遠くへと旅をすることだと思います。ベッドに入ったまま、あるいは椅子に座って、本を開くだけで、知らない世界へと旅立つことができるのです。日々の暮らしのすぐそばにある、特別な場所へと。」
引用されている長田弘さんの詩も良いなあ。
「どんなときにも、ひとは旅をしている。
何をしているときも、旅をしている。
旅をしていないときも、旅をできないときでも、
旅をしている。
目覚めての、朝の窓辺までの、ほんの数歩の旅。
古い木のテーブルの周りを行ったり来たりの、
ただそれだけの旅。」
どんなときにも旅はすぐそこにあると思うと、少し心慰められるような気がするものです。