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透明な孤愁 谷川俊太郎とバッハのこと

現代詩のアンソロジーである『やさしい現代詩』を読んでいて、大岡誠が谷川俊太郎の詩に就いて「自分はあるいは、地球と呼ばれるこの宇宙の片隅の渺たる惑星へ置き去りにされた、別の天体のみなし児ではないのか、とでも言いたげな孤愁が、この詩人の孤独と哀しみの原質なのだ」とのべていることを知る。

ここ数日谷川俊太郎の詩を何編か読み、まさにその通りなので、いままで何を読んでいたのだろうと少し愕然としながら、改めてその詩集を読み返さなくては、と思った。

そして突然、この詩人の、「宇宙にひとり置き去りにされたような孤愁」はバッハの音楽にも通じるものではないか、と思いいたり、少し久しぶりに、エマールによる「平均律」第一集を聴きだした。

その最初の前奏曲が鳴り始めたとたんに、バッハの音楽に満ちている清潔で透明な孤愁に、心に静かに美しく冷たく澄んだ水が満ちてくるような感慨を覚えて、胸がいっぱいになった。
Commented by およう at 2015-04-10 11:21 x
あー、しばらくバッハを聴かないで久しぶりにバッハの曲に触れた時の喜びが伝わってきます(^^♪
谷川俊太郎氏は少しちがいますが私も読み直してみます^^
Commented by およう at 2015-04-10 13:18 x
追伸です。ネットで谷川俊太郎氏の詩を見ていましたらまさに孤愁漂う作品にぶつかりました^^
『かなしみ』あの青い空の波の音が聞こえるあたりに 何かとんでもないおとし物を 僕はしてきてしまったらしい 透明な過去の駅で 遺失物係の前に立ったら 僕は余計にかなしくなってしまった
Commented by k_hankichi at 2015-04-10 20:56
ぼくも、谷川さんの声を聞いたら、このひとが、途方もなく孤独を知ったひとなんだと思った。バッハ。まさに呼応しますね。
Commented by maru33340 at 2015-04-10 21:41
おようさん
谷川俊太郎さんは、ごくごく最初から孤愁の人だったと、改めて知りました。
はんきちさん
確かにそう。随分久しぶりにバッハを聴いて、「ここには全てがある」と思い出しました。
Commented by およう at 2015-04-13 10:58 x
maru殿、この孤愁という言葉に惹かれました^^ 拝借してしばらくマイポエムシリーズを始めます(*^^)v
by maru33340 | 2015-04-10 07:12 | 未分類 | Trackback | Comments(5)

音楽・本・映画などについての私的な感想


by maru33340
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