2015年 04月 10日
透明な孤愁 谷川俊太郎とバッハのこと
ここ数日谷川俊太郎の詩を何編か読み、まさにその通りなので、いままで何を読んでいたのだろうと少し愕然としながら、改めてその詩集を読み返さなくては、と思った。
そして突然、この詩人の、「宇宙にひとり置き去りにされたような孤愁」はバッハの音楽にも通じるものではないか、と思いいたり、少し久しぶりに、エマールによる「平均律」第一集を聴きだした。
その最初の前奏曲が鳴り始めたとたんに、バッハの音楽に満ちている清潔で透明な孤愁に、心に静かに美しく冷たく澄んだ水が満ちてくるような感慨を覚えて、胸がいっぱいになった。
谷川俊太郎氏は少しちがいますが私も読み直してみます^^
『かなしみ』あの青い空の波の音が聞こえるあたりに 何かとんでもないおとし物を 僕はしてきてしまったらしい 透明な過去の駅で 遺失物係の前に立ったら 僕は余計にかなしくなってしまった