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ラズモフスキー・セット 親和的世界からの逃走

ハイドン、モーツアルトの弦楽四重奏曲を聴いてきて、やはり再びベートーベンに至る。

以前、ベートーベンの弦楽四重奏曲全作品を作曲順に聴いていた時期があり、ラズモフスキー・セットの3曲を聴き終えた時に、ハイドン、モーツアルトから出発して随分遠くまで歩いてきたなあ、と感じたことを思い出した。

いや、歩いてきたというより、この3曲でベートーベンは今まで親しんできた世界(四人の弦楽奏者が、室内楽を弾く事を、まるで会話のように楽しむ親和的世界)から、一気に逃走してしまったようだ。

そこには、闘いや孤独や瞑想など、それまでの弦楽四重奏曲には含まれなかった要素が、厳格な形式とせめぎ会うように盛り込まれ、それらを解決した先に、誰も表現しなかった解放感(アウフヘーベンと呼んで良いのか)がある。

それはまさに「弦楽四重奏曲の完成」なので、この先を行くものはバルトークのように、蕀の道を満身創痍で歩むしかなかったのだろう。
Commented by およう at 2015-05-02 11:46 x
久しぶりにラズモフスキーを聴いております(^_^)/
Commented by k_hankichi at 2015-05-02 18:43
ラズモフスキー・・・。至極の四重奏。心の奥底が鼓動する。
Commented by maru33340 at 2015-05-03 07:07
おようさん
はんきちさん
ラズモフスキー・セット、やはり改めて聴くとその凄さに圧倒されます。
by maru33340 | 2015-05-02 07:55 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(3)

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by maru33340
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