2016年 08月 12日
朽ちたるものの美しさ
もちろん鍛えぬき、精進の果てにメダルをつかんだ勝者は美しいだろう。
しかし、勝った選手のガッツポーズより、負けて競技場を去る選手の後ろ姿の肩口の淋しさの方に美しさを感じてしまう自分がいる。
滅びゆくものに対する愛着は、日本では平安時代からあり『徒然草』にも書かれている。
「花は盛りに、月は隈なきものをのみ見るものかは」
「散りしおれたる庭などこそ見所多けれ」
「花の散り、月の傾くを慕うならひは」
(『徒然草』第137段)
こうした朽ちたるもの、名残を過ぎたものの美しさへの愛着は日本人独特の美意識で、それが食べ物でも戻り鰹や落ち鮎など盛りを過ぎたものを珍重する意識へとつながっているようだ…
拝金主義も極まれり!
国を背負うことなど無いんじゃないか、と思うのです…