2017年 03月 07日
村上春樹の新刊は
村上春樹の新刊『騎士団長殺し』(第1部・第2部)を読了。
僕は『風の歌を聴け』以来村上春樹の新刊を読み続けてきた(最近はちょっとマンネリ気味で惰性で読んできた)けれどこの作品には引き込まれ一気に読了した。
その理由は3つ。
第1に、この作品には彼の小説の重要な要素(壁、穴、謎、異空間等etc.)がほぼ含まれていて、まるで村上春樹作品の見本市のように楽しめること。
第2に、プロットがシンプルで謎に導かれてぐいぐい読ませる力があること。
第3に(個人的にはこれがツボだったけど)主人公(クラシック音楽好き)が画家(肖像画家)で、「雨田具彦」という画家による謎の日本画が作品の鍵になっていること。(記憶にある限り村上春樹の長編小説で絵画が鍵になっている小説はないように思う)
そんなわけで、もし「まだ読んでないけどこの小説は面白いかなあ…」と思っている方がいらっしゃったら「もし絵画(とクラシック音楽)に興味がおありでしたら、面白いことは請け合いますのでまずは読んでみて下さい」とお薦めしたいと思います。