2017年 11月 28日
グレン・グールド再び
少し前、夜中にふいにグレン・グールドの「平均律」が聴きたくなって以来、再び彼の残した録音をいろいろ聴き返している。
バッハ、バード、ギボンズ、ベートーヴェン…どの録音もまるで初めて聴くように面白い。
(うかつなことに、今年はグールドの生誕85年、没後35年の年だと最近気がついたけれど)
今朝は彼が1981年に録音した二度目の「ゴールドベルク変奏曲」を聴いている。
やはり特筆すべきはその「静けさ」。
冒頭のアリアは1955年の最初の録音では1:53秒に対し、1981年の二度目の録音は3:05秒と極端に遅いテンポになっている。
翌年彼は50歳という若さで亡くなることを知って聴くせいもあるからか、その音楽はまるでこの世界への惜別の思いと諦感に満ちた慰めの音楽に聴こえるのだ。
今だからわかるものがあるかも知れません。