昨晩もベッドに潜り込み小さな音でコレスニコフの弾くルイ・クープランの音楽を聴く。
その音楽は人のいない冬の宮廷の小さな一室に一本の細い針を落とした時の音のようにはかなく淋しく響く。
その音楽を聴きながらグレン・グールドの弾くブラームスの間奏曲の演奏を思い出した。
そこでのグールドは聴き手がいることを忘れているかのように一音一音を確かめながら弾いていて、それは演奏というより自分自身との対話(あるいは瞑想)のようで聴いていると心がしんと静まってくる。
コレスニコフの弾くクープランもまた自分自身との対話のよう。