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クレメラータ・バルティカのマーラー交響曲10番アダージョ

12月20日の朝日新聞に吉田秀和さんの「音楽展望」が掲載されました。

朝日新聞で吉田さんの音楽展望を読むのはとても久しぶり。
今回は、年末恒例だったCD・DVDから印象に残ったものを紹介してくれている。

毎年年末になるとこの「今年のCD・DVD」が楽しみで、そこで紹介されているCDを随分聴いたものですが、今年は、そこで紹介されているギドン・クレーメルが率いるクレメラータ・バルティカのマーラー交響曲10番アダージョが聴きたくなり、クリスマス・イブの今夜、早速聴いてみました。

これは、本当に美しく感動的なマーラー演奏でした。

この交響曲10番アダージョは僕はマーラーの交響曲の中でも最も好きな楽章で、特に後半の世界の終末を予言するような黙示録的な不協和音は、いつ聴いても背中に戦慄が走ります。

しかし、吉田秀和さんも「音楽展望」で書いているように、もともとがフル・オーケストラでの膨大な編成の曲を弦楽合奏だけで弾くのは「ルーベンスかルノワールをモノクロで複製するようなもの」なので、迫力という点でどうなのだろうと一抹の危惧を感じていたのですが、とんでもない、かえって精神性が高まり、非常に純度が高く緊張感に満ちており、素晴らしいクライマックスが訪れました。

クリスマス・イブに聴くのがふさわしい曲かどうかは別にしても、旧約聖書の黙示録を読むような深い感動を得ました。

こんなイブもときには良いかも知れません。

アダージョ
クレメラータ・バルティカ クレーメル(ギドン) / / ユニバーサル ミュージック クラシック
ISBN : B000TLYE20
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by maru33340 | 2007-12-24 20:44 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(0)

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by maru33340
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