新・クラシック音楽と本さえあれば

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2017年 09月 06日 ( 1 )


2017年 09月 06日

新しい、まっすぐ進まない音楽

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今までにも何度か書いたけど、長くシューベルトの音楽が苦手だった。

怖くて。

それはやはり中学生の頃に音楽の授業で聴いた彼の歌曲「魔王」がトラウマになっていたからだ。
子どもを小脇に抱え馬に乗り森を走り抜けようとする父親。
そこに死神が近づき子どもに「こちらの世界においで」と囁く。
死神の声は父親には聞こえない。
「お父さんあそこに死神がいる!」という子どもの必死の訴えに父親が「あれは風の音だよ」などとトンチンカンな答えをしている間に子どもはぐっりとしてやがて息絶える…

この音楽で怖いのはあのゴロゴロと鳴る低音の響きで、シューベルトの音楽には他の音楽でも突然ゴロゴロという低音が響くから油断がならず、以来彼の音楽が怖くて苦手だった。

それでもこの二三年ようやくシューベルトを聴く事が出来るようになり、この出張の行き帰りもウォークマンで彼の音楽を聴きながらこの本を読んだ。
小さな本ながら、ウィーンという街でベートーヴェンとは異なる「新しい、まっすぐに進まない音楽」を戦略的に生み出し「音楽だけで生活することが出来た最初の作曲家」であるシューベルトの姿を描きとても興味深い本だった。
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by maru33340 | 2017-09-06 06:25 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)