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2017年 09月 10日 ( 1 )


2017年 09月 10日

シューベルトの繊細な魂の旋律のために

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シューベルトの「幻想曲 へ短調 D.940」が隠れた名曲であると聞いてはいたけれど、四手のためのピアノ曲でアルバムの数も少なく(シューベルトは最近ようやくおそるおそる聴き出したばかりだから)まだ聴いたことがなかった。

先日神保町のCDショップを訪ね、ピリス(今はピレシュと表記するそう)&カストロによるこの曲の入ったアルバムを見つけ昨夜から聴き始めあまりの素晴らしさに驚いた。

冒頭の旋律はまるで繊細な魂が無防備なままそっと差し出されるように聴くものの心を震わせる。
それは哀しみより遥かな深い感情を呼び覚ますから涙は追いつかない。
そして同じ旋律が転調される時には、つかまれた心ごと異界に連れ去られてしまうようだ。

少し調べてみると音楽評論家の吉田秀和さん(僕はこの人の事を勝手に師匠だと思っていたけど)がかつてこの曲についてこんな風に書いていたことを知った。
「この曲をまだきいたことのない人は仕合わせだ。その人にはまだ1曲、至福の想いを与える音楽にはじめて出会う幸福が待っているのだから」(「シューベルトのピアノ・ソナタ」より)

はい先生、僕はようやくこの曲に出会い、至福の時を与えてもらいました。
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by maru33340 | 2017-09-10 06:54 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)