新・クラシック音楽と本さえあれば

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2017年 12月 31日 ( 1 )


2017年 12月 31日

2017年の本・音楽・映画&ドラマから

今日で2017年もおしまい。


例年大晦日にはその年の、本・音楽・映画から印象に残った作品を振り返っています。

今年はおまけとしてドラマも併せて、それぞれ5作品を一言コメントと共に。


【本】


◆『騎士団長殺し』(村上春樹)

この作品には彼の小説の重要な要素(壁、穴、謎、異空間等etc.)がほぼ含まれていて、まるで村上春樹作品の見本市のように楽しめた。


◆『離陸』(絲山秋子)

この作者らしい不思議な不思議な物語。ありえない展開に息を飲んでいるうちに物語の渦の中に巻き込まれため息をついて読了。


◆『往復書簡 初恋と不倫』(坂元裕二)

男女の往復書簡(メールも含む)による作品が二つ。最初の作品を読み始めそのスリリングな展開に時を忘れ(息をするのも忘れる程)引き込まれ読み終えて深いため息をついた。


◆『村に火をつけ白痴になれ』(栗原康)

栗原康の独特の文章による伊藤野枝の伝記。著者の文体は好き嫌いが分かれるかも知れないけれど、わがままに、自らの信じるままに誰にもその心を支配されることなく生きた彼女の人生に激しく潔く心打たれるものがあった。


◆『君たちはどう生きるか?』(吉野源三郎原作によるコミック版)

吉野源三郎の歴史的名著を80年の時を経て初めてマンガにしたこの本は、今を生きる僕らにも響く真っ正直な生き方を問いかけて止まない。


【音楽】


◆ジョン・エリオット・ガーディナーによる「マタイ受難曲」

とても清潔なマタイ。その端正な佇まいとピアニシモの美しさは比類がない。この人の指揮による「クリスマス・オラトリオ」も愛聴しています。


◆上原彩子ピアノリサイタル(「彩の国さいたま芸術劇場」)

最後のリストの曲「ダンテを読んで」での悪魔と契約を結んだかのようにデモーニッシュで圧倒的な迫力のある演奏に、聴いていて椅子から転げ落ちそうになった。


◆「坂本龍一 | 設置音楽展」

冒頭の曲「andata」の静かなピアノソロにバッハの音楽を思わせるシンセサイザーによる荘厳なコラールや風の吹きすぎるような音が重なるのを聴いていると、次第に音楽が遺伝子の奥の(自分が生まれるはるか以前の)魂の古層にまでひたひたと染み入るような心持ちになり、深いやすらぎに包み込まれていく…


◆レオポルド・ヴァイスのリュート作品集

初めて聴く作品なのにどこか懐かしさを感じさせるヴァイスの作品の持つメランコリーな旋律を、スペインのリュート奏者ホセ・ミゲル・モレーノが静かに語りかけるように演奏していて、まるで柔らかな雨のように心に染みいってくる。


◆エディト・パイネマンのベートーヴェン、メンデルスゾーン、シベリウス、プロコフィエフの4つのヴァイオリン協奏曲

これら聴き慣れたヴァイオリン協奏曲もこの人の演奏で聴くと、まるで目の前で初めてこの音楽が生まれているのを眺めているように新鮮で、瑞々しく艶やかで自然にこぼれ落ちてくる詩情に聴き惚れてしまう。


【映画】


◆『沈黙』

遠藤周作原作による映画。重たいテーマだけれど俳優の芝居が素晴らしく、見終えてしばらく言葉を忘れるような気持になった。


◆『怪物はささやく』

一人の少年を主人公にした怪物との魂の交流を描いたダークファンタジー。観終わってまるで自分自身の魂の奥底を巡る長い長い旅を終えたような深々とした充実感に満たされた。


◆『ヒトラーへの285枚の葉書』

丁寧に張り巡らされた伏線と設定がラストのカタルシスを生む、まさに物語の王道を行く名作。「過酷な状況下に生きる人としての尊厳」をテーマとしている点で、映画『きっといい日が待っている』に通じるものがあり胸を打たれた。


◆『カフェ・ソサエティ』

1930年代のハリウッドとニューヨークを舞台に、全編に流れるjazzと共に繰り広げられる華麗で甘くて少し苦いラブストーリーは、まさにこれぞウッディ・アレンの映画そのもの。『ラ・ラ・ランド』が少し期待外れだった分堪能しました。


◆『否定と肯定』

ホロコーストはなかったと主張する歴史学者が、自己の主張を侮辱されたとしてヒロインであるユダヤ系の女性歴史学者を名誉棄損で訴える。イギリスの法廷では被告が自らの事実を立証しなければならないのだが・・・渋い法廷劇ながら最後まで息を飲むようにして観た。名作です。


【ドラマ】


◆『ひよっこ』

何度泣いたことか…僕にとって問答無用の朝ドラ史上最高の作品です。


◆『みをつくし料理帖』

丁寧に撮られた料理シーンの美しさ、人の優しさ、音楽の素晴らしさ。原作小説(全10冊)も楽しみました。


◆『カルテット』

舞台劇のように凝った台詞と読めない展開を堪能。坂元裕二脚本の素晴らしさにうなりました。


◆『アシガール』

主人公の黒島結菜の明るくコミカルな味わいが全開。彼女の女優としての今後は注目です。NHK土曜夕方6時のドラマのレベルは高く、この作品の前の『悦ちゃん』も良作でした。


◆『陸王』

こちらも毎回泣かされました。役所広司はやはり凄い役者だと改めて認識しました。


以上、今年一年おつきあいをいただきありがとございました。

皆さまどうぞ良いお年をお迎え下さい。


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by maru33340 | 2017-12-31 16:18 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)