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2018年 01月 07日 ( 1 )


2018年 01月 07日

『不死身の特攻兵』読了す

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数年前、鹿児島の知覧にある「知覧特攻平和会館」を訪れ、そこに展示されている多数の手紙を読み頭をガツンと殴られるような思いになった。

いかに命令とは言え、まだ少年と呼べるような若い命が(今だからそう言えるけれど)無駄に失われていったこと、そして迷い恐れ悩みながらも結局は「国のため」と自らに言い聞かせ(もちろん中には心底そう信じて)爆弾を装備した飛行機に乗り戦艦に突入していった(いかざるを得なかった)ことに改めて強い衝撃を受けた。

知覧から東京に戻り、電車に乗り特攻兵と同じ位の年齢の若い人たちが車内であたり構わず大声で下らない話をしながらバカ騒ぎをしているのを眺めながら「知覧で命を失った若者たちがこの光景を見たら、自分たちが守ろうとしていたものは何だったのだろう」と愕然とするのではないかと感じ悲しい思いになった…

昨年末に入手した『不死身の特攻兵』(鴻上尚司著)を昨日一気に読了した。

1944年の第一回の特攻作戦から、9回出撃し、生きて帰還する度に上官から「次は必ず死んでこい」と言われ2度も新聞に死亡記事が載りながら、命令に背き最後まで死ななかった佐々木友次という人の人生が描かれる。

「死ななくてもいいと思います。死ぬまで何度でも行って爆弾を命中させます」
彼はあの時代に何故上官にそう言えたのか?

戦後生き延びて故郷に帰った彼に世間の眼は決して暖かくはなかった。
彼は何故それに耐えられたのか?

戦争中と現在、果たして何が変わったのか?
「社会」より「世間の眼」をより重要視する日本人のメンタリティは変わっていないのではないか?

読み終えて今も尚様々な問いかけが頭を駆け巡っています。
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by maru33340 | 2018-01-07 06:50 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)