新・クラシック音楽と本さえあれば

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2006年 11月 30日

「この世界は完成されつくされている」

村上春樹の新訳『グレート・ギャツビー』の長い後書を読んでいて、フィッツジェラルドの栄光と悲惨に染められた44年間の人生を改めて読み、今日読み終わった『どれくらいの愛情』の後書で作者の白石一文さんが書いている「この世界は完成されつくされている」という言葉を思い出しました。
確かにフィッツジェラルドの人生は、あまりに儚いものだったかも知れないけれど、彼の人生は(その悲惨や救いようのなさも含めて)それ以外にはあり得ないほど完成されています。そしてこんな言葉が相応しいかどうかわかりませんが、その完成された人生はとても美しいように思います。
白石一文さんが書いているように、もしかしたらすべて生きている人の人生は、彼の人生のように、どんなに悲惨で救いようがないように見えても、完成された美しいものなのかも知れません。
そう信じる事で、この戦争やいじめや犯罪に満ちた世界は、少しその様相を変えるかも知れません。
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by maru33340 | 2006-11-30 23:11 | お勧めの本 | Trackback | Comments(0)
2006年 11月 30日

『どれくらいの愛情』(白石一文)

扁桃腺が腫れて熱が出てしまい今日は仕事を休み、友人に薦められた『どれくらいの愛情』をぼんやりした頭で読み始めました。
眠くなったらすぐに眠ろうと思い、最初の中編「20年後の私へ」を読み始めたら一気に小説の世界に引き込まれて、最後まで読了しました。
これは素晴らしい小説でした。
昨日の村上春樹のインタビューで、「小説家は心を深めると同時に、その深まりを文章化する能力を身につけねばならない」と語っていましたが、この作品はまさに「心の深まり」を文章化したもの。かなり僕の心に染み込みました。
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by maru33340 | 2006-11-30 13:04 | お勧めの本 | Trackback | Comments(1)
2006年 11月 29日

「心を深める」ということ

今日(11月29日)の朝日新聞に、村上春樹さんが新訳の『グレート・ギャツビー』について語っているインタビューが載っていました。その中で村上さんが「(小説家は)心を深めると同時に、その深まりを文章化する能力を身につけなくてはなりません」と語っているのを読んで、「心を深める」という言葉に興味を持ちました。
「心を深める」とは果たしてどういう事をさすのだろう?
そのヒントを探すために『グレート・ギャツビー』を読んでみたいと思っています。
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by maru33340 | 2006-11-29 23:58 | お勧めの本 | Trackback | Comments(0)
2006年 11月 26日

アーノンクールのモーツァルト

芸術劇場でアーノンクールとウィーンフィルによるモーツァルトを聴いています。
この人のモーツァルトは、昔聴いた25番の交響曲のデモーニッシュな印象が強く、あまり聴いていなかったのですが、今回聴いてみて、ピリオド奏法にこちらの耳が慣れたせいか、過激という印象はあまりなく、細かく変化するリズムとダイナミズムが聴いていて楽しく感じられました。
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by maru33340 | 2006-11-26 23:15 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(0)
2006年 11月 26日

『詩心― 永遠なるものへ』(中西進)

この本のあとがきで著者は、「詩心といったものによって、われわれは俗悪な日常から救われているのではないか。」「詩心の中には永遠なるものへの希求がみちみちている。」と書いています。
その「永遠なるもの」を万葉集や短歌、俳句を素材に読み解くこの本には、随所に日常を超えた永遠の存在を語る箇所があり、その文章自体が詩であるように感じます。
例えばウクライナの詩人リュドミラ・スキルダさんの詩を評したこんな文章。
「人生にも似た儚さの中に散る桜は短命だが、これを瞑想し、叙情する時に、つまり芸術として言語化した時に、桜は融けない雪のような不滅さを獲得する。」
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by maru33340 | 2006-11-26 16:40 | お勧めの本 | Trackback | Comments(0)
2006年 11月 25日

吉田秀和さんのインタビュー

『レコード芸術12月号』の吉田秀和さんのインタビューがとても面白かった。
今回の文化勲章受賞での特別な感慨は、という問いに、
「今まで私の仕事は、なにか一人で荒野を切り開いているような気がして、ひとりぼっちだと思っていましたが、(今回の受賞で)満天にはたくさんの星があって、昴とか北斗星とか、それは川端だったり紫式部かなんかだったりするかもしれないけれど、自分もその中のひとつにつながっていたと実感し、とてもうれしいと思った。」
と答えているのですが、この事(遠い遠い過去に自分がつながっているという思い)は、先日京都の祖父母のお墓参りの時に僕もとても強く感じた事でした。
その時から今日まで1週間がたちましたが、あれ以来、この何年かずっと感じていた強い肩凝りが不思議に消えていて、本を読んでいても書いてある言葉がすっと頭に入ってくるのでした。
不思議です。
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by maru33340 | 2006-11-25 15:15 | お勧めの本 | Trackback | Comments(0)
2006年 11月 25日

本日購入の本

今日は午前中少し仕事してから、自転車で町中の本屋へ。帰りにいつも休みに立ち寄る、エクセルホテル1階のEST CAFEで美味い珈琲を飲みながら、買ったばかりの本を眺める時間はまさに至福の時間です。

◎『詩心』(中西進)
◎『西洋哲学史 古代から中世へ』『西洋哲学史 近代から現代へ』(熊野純彦)
◎『レコード芸術 12月号』
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by maru33340 | 2006-11-25 14:45 | お勧めの本 | Trackback | Comments(0)
2006年 11月 25日

『美の壷』(NHK教育)

毎週欠かさず見ている番組に、金曜日夜10時からNHK教育テレビで放映されている『美の壷』があります。
暮らしの中にある「美」を、ジャスをBGMに語る大人の番組で、この番組を見ているといつも「ああ幸せだ。」と感じることが出来ます。
「骨董」「掛け軸」「良寛」「円空」・・・
僕らの日常の周りには、本当に美しいものが数限りなく存在する・・・
そのことの幸福が、僕の心をとても安らかなものにしてくれます。
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by maru33340 | 2006-11-25 11:28 | TV | Trackback | Comments(1)
2006年 11月 23日

『陰翳礼讃』(谷崎潤一郎)

デザイナーの原研哉さんのエッセイに導かれて、先日買ってあった『陰翳礼讃』を読みました。やはり面白い。今の僕の関心が「日本美」にあるので、本当に隅々まで納得出来ることばかりです。
絵画、彫刻、建築などあらゆるジャンルにおいて「美」に携わる人間にとって必読の書であるとの思いを強くしました。
やはりすごいなあ、谷崎。
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by maru33340 | 2006-11-23 14:54 | お勧めの本 | Trackback | Comments(0)
2006年 11月 23日

『古美術読本(四)建築』(大庭みな子編)

「美しいものを観る時には言葉にとらわれてはいけない。」小林秀雄に心酔していた学生時代にそう思い込み、展覧会でも解説は見ないように、足早で最後まで見終えた後、気に入った絵だけをじっくり眺める。この年までそんな美術観賞をしていました。
それはそれで間違ってはいなかったとは思うのですが、先日東京で「仏像展」を観た時に、生まれて初めて音声ガイドというものを借りてみたら、これが予想以上に面白かった。美を観る事と「言葉」は決して相反するものではなく、お互いがお互いを照らしあうような関係にあるのかも知れません。そんなことに今になって気付いてから、本がまた無性に面白くなってきました。
この『古美術読本(四)建築』の冒頭の大庭みな子さんのエッセイもまた、美と建築と言葉の関係について書かれた興味深いものです。
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by maru33340 | 2006-11-23 12:26 | お勧めの本 | Trackback | Comments(0)