<   2008年 02月 ( 13 )   > この月の画像一覧


2008年 02月 24日

『空からきた魚』(アーサー・ビナード)

アーサー・ビナードという人が、「稀有な日本語使い」であるということを何か(新聞の書評?)で読んで、いつかはその文章を読みたいものと思っていました。

今月集英社文庫でそのエッセイ集である『空からきた魚』が出たので、早速読み始めたら、これがあんまり面白くて一気に読了してしまった。

この面白さはどこから来るのだろう。

第一にその観察眼の新鮮さ。
確かに初めてみる異国の姿や言葉は大変新鮮なものであることは想像出切る。
しかしこの人の目は単に異文化に接しての驚きだけではなくて、その少年時代について書かれたエッセイを読んでいると、そもそもアメリカに居た時から物事に関する見方が驚くほど柔らかいのがわかる。

第二に、「言葉」に関する感受性の細やかさ。
それはまあ中原中也賞受賞の詩人だから、言葉を大切にする人であることはあたり前といえばあたり前なんだけど、読んでいて久しぶりに「言葉」というものが生まれる現場に立ち会っているような喜びが感じられる。

第三に、そのユーモア。
対象との距離感が絶妙で、それを語る話法がまた良い。
物事を観察して、そこに面白さを見つける達人と言っても良い。
(オチのつけ方も落語的です。どこでこの感覚を身につけたの?)

(もしこの本を本屋でみかけたらその「あとがき」だけでも一読してみて下さい。その文章に感じるものがあったら、この本との相性はピタリ。購入して損はなし。お勧めいたします。)

いやあ、面白かった。
すっかり癖になりました。

空からきた魚 (集英社文庫 ひ 27-2) (集英社文庫 ひ 27-2)
アーサー・ビナード / / 集英社
ISBN : 4087462706
スコア選択:
[PR]

by maru33340 | 2008-02-24 23:24 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2008年 02月 23日

憂い顔の皇子

皇太子の誕生日の会見が報道された。

あまりテレビを見ないので新聞でその会見の模様を読む。

記者の質問の関心の中心は、先日の羽毛田長官の「参内の少なさへの苦言発言」にあったが、皇太子は「プライベートな事項」と答えることを控えたとのこと。

僕は(全く私的なことながら)皇太子と同い年なので、なんとなくだけれど、シンパシーのようなものを感じている。
なので、雅子さまの容態を含めた一連の騒動の渦中に立たされながら、常にポーカーフェースで受け答えをする皇太子がひどく気の毒なような気がしてならない。
ひどく辛い思いでいて、彼こそ心を病んでしまいはしないか・・・とひそかに案じている。

皇室という、いわば特殊な家系に生まれたばかりに、その心中の苦境たるやいかばかりなものかと、(僕が案じてもどうにもならないけれど)心痛む思いだ。

今できる事は「どうか世の中の皆さん、彼とその家族をそっとしておいて上げてください。」
と祈る事しかないけれど・・・
[PR]

by maru33340 | 2008-02-23 14:36 | 日常 | Trackback | Comments(3)
2008年 02月 23日

一年前・・・

今朝の金沢は朝から雷がなり、激しい風が吹く嵐の模様。
まもなく雪も降ってくる様子。

***

一年前の今日父が亡くなり、今日はその命日。

ここ二三日、どこかでそのことが心の奥にあったせいか胃が痛む日々が続き、昨日は仕事を終えてすぐに帰宅し、自宅でベートーヴェンのピアノソナタ(テンペスト)を聴いていました。

この一年間父を失った喪失感が時々波のように心に押し寄せてきましたが、こうしてささやかな思いをブログに書くことで、なんとか乗り越えてくることが出来たようです。

時々コメントを下さる方のブログに同じ思いが書かれているのを読み、「ああ、同じような思いの方がいらっしゃるのだなあ・・・」と慰めらます。

***

夕方からは出かけなければいけないので、それまでは家でドウス・昌代の『イサム・ノグチ』を読んで過ごそう。
[PR]

by maru33340 | 2008-02-23 07:57 | 日常 | Trackback | Comments(4)
2008年 02月 19日

白川静メモ

名古屋の出張から帰宅し、松岡正剛さんが白川静を語る「知るを楽しむ」を見る。

白川静は学問を成し遂げるために次の3つの事が必要と語っている。

「志あるを要す」(何のために学問をするのかという志がなくてはならない)
「恒あるを要す」(やり続けなければならない)
「識あるを要す」(学識、見識がなくてはならない)

うーん。背筋がピンと伸びるような思いです。
[PR]

by maru33340 | 2008-02-19 22:55 | TV | Trackback | Comments(1)
2008年 02月 17日

竹久夢二に関するメモ

先週家人が金沢に遊びに来た時に、湯湧温泉まで足を伸ばし「金沢湯湧夢二館」を訪ねた。

ここは小さいけれどなかなか良い記念館。
この記念館で晩年の夢二がヨーロッパに行き、当時台頭していたナチスによるユダヤ人迫害運動に抗してユダヤ人を助ける活動をしていた事を始めて知りました。
生涯聖書を手放さなかったことも。

いわゆる「夢二調」からイメージしていた人物像とは違う夢二がそこにいました。

帰宅してから、晩年の夢二については、松岡正剛さんが「千夜千冊」(292夜)に書いていることを知り、夢二像を少し新たにしました。
[PR]

by maru33340 | 2008-02-17 22:01 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2008年 02月 17日

雪の日に聴くユーミン

昨夜から振った雪はこの冬一番積もり、窓の外は一面の銀世界。

掃除と洗濯を済ませて、降ったばかりの雪を踏みしめながら、「リブロ」へ行く。

「リブロ」の中のCDコーナーが閉店になるらしく、セールをやっていたので、以前から気になっていたユーミンのベストアルバム『SEASOS COLOURS~春夏撰歌集~』を購入。

早速家に帰り、聴き始める。

窓から降りしきる雪を眺めながら聴く「ダンゲライオン」や「卒業写真」や「緑の町に舞い降りて」は、なんだかとてもいい感じです。

「花紀行」のこんな歌詞を聴いていると今の季節を忘れてしまいそう。

見知らぬ町を ひとり歩いたら
風は空から 花びら散らす
過ぎ行く春の 投げる口づけは
髪に両手に はらはら停まる

[PR]

by maru33340 | 2008-02-17 16:41 | 日常 | Trackback | Comments(4)
2008年 02月 17日

周回遅れの「冬のソナタ」体験

内田樹さんの「冬ソナ」=「夢幻能」説に導かれて始まった、季節はずれの「冬ソナ」マイブーム。

途中出張週間の間は中断して、昨日最後の16話から最終話の20話までを見終わった。
仕事を終えて、夕方から途中夕食と風呂休憩をはさんで5時間たっぷりその世界に埋没した。

窓の外は雪が降り続き、部屋の明かりを落としてコタツにもぐりこんでこのゆるやかな物語に身をゆだねている時間はまさに至福の時。

ここに流れる時間は、現在が過去に支配されている、まさに「神話的時間」といっても良く、ドラマの冒頭に毎回流れる雪景色の中で戯れる二人の時間が、その「神話的時間」=至福の時間の象徴であり、二人は最後に再びその時間を取り戻したかのように見えるけれど、その瞬間に「不在の父」が顕現し、二人の間は引き裂かれる。

ラストシーンで、ジュンサンの建てた海辺の家で二人が再会する美しいラストシーンは内田樹さんによれば「影の国=死者の国」でジュンサンが見ている夢であり、ここに至る長い物語なしには、ジュンサンはあの「夢」を見る事が出来なかった。
まさに「死せるジュンサンはユジンの正しい服葬儀礼によってようやくあの夢を死者たちの国で見る権利を手に入れた」のである。

このドラマがあんなに社会現象になるまで多くの人に支持されたのは、一人ひとりが心の奥に秘めている日常生活の奥に潜む「神話的時間」(あるいは初恋であったり、許されない恋の記憶であったり、既に失った愛する人と過ごしたかけがえのない時間であったりするわけだけれど)の回復のための物語であるからなのかも知れない。

ユジンが何度も流す涙は、こうした失われた「神話的時間」を弔う(=回復する)ための「葬送儀礼」であり、そこに観るものは大きなカタルシスを覚えるのだろう。


初めてこのドラマを見始めた1月30日は、昨年父が倒れて病院に運ばれた日。
そして2月23日に亡くなるまで、何度も大阪と金沢を往復した。
あまりに急なその最後を、一年たった今もどこかでまだ受け入れることが出来ていなかった。
このドラマを見ながら、何度も父と過ごした時間を思い出した。

内田樹説によれば
「正しい喪の儀礼とは、死者があたかもそこに臨在しているかのように生者たちがふるまうことなのである。手を伸ばせば触れることができるように、語りかければ言葉が届くかのようにふるまうことによって、はじめて死者が触れることも言葉が届くこともない境位に立ち去る。」
とのこと。

僕はこの周回遅れのの「冬ソナ」体験によって、父との時間を思い出していたけれど、これはまさに内田さんのいう「正しい喪の儀礼」を行っていたのかも知れない。

窓の外はまだ雪。

柳宗悦の
「雪イトド深シ 花イヨヨ近シ」
という言葉を思いながら過ごそう。
[PR]

by maru33340 | 2008-02-17 09:09 | TV | Trackback | Comments(2)
2008年 02月 16日

雪降り続くその果ての…

今週は予報通りほぼ一週間雪が降り続いた。
そんな中、富山、福井とそれぞれ泊まりの出張があり、まさに雪の北陸旅巡業の日々。
列車の窓から眺める北陸の雪景色は無常と詩を感じさせてくれて、心敬の歌論にある
「冷え寂びたるかたの風情」
とはこのことか…との感慨深く
「氷ばかり艶なるはなし」
という言葉も思いだされます。
[PR]

by maru33340 | 2008-02-16 14:52 | お勧めの本 | Trackback | Comments(0)
2008年 02月 12日

白川静に関するメモ

NHK教育「知るを楽しむ」で松岡正剛さんが、白川静さんを語りはじめた。
前回は仕事で遅くなり見逃す。今回最後の5分間を見る。
孔子と柿本人麻呂が「遊部」という葬送集団に属していたという説を知る。
(以上メモ)
[PR]

by maru33340 | 2008-02-12 23:03 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)
2008年 02月 11日

2月10日兼六園と金沢城ライトアップの記録

f0061531_19121646.jpg

f0061531_19134180.jpg















2月10日の夜、兼六園と金沢城公園のライトアップを見に出かけた折の記録。
やはり夜の携帯写真は難しい・・・
[PR]

by maru33340 | 2008-02-11 19:12 | 日常 | Trackback | Comments(0)