新・クラシック音楽と本さえあれば

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2009年 02月 27日

『白夜に紡ぐ』(志村ふくみ)

志村ふくみさんのこの新しい本の中に、小野元衛という画家の「朱の仏」という絵が載っている。
一目で心ひかれて、文章を読む前に何度も眺めていたけれど、どんなに眺めても見飽きる事がない。
この未知の画家は一体誰だろうとようやく文章を読み始めて、この画家が29歳で結核で夭折した、志村ふくみさんの兄だと知った。
その事は、この本の「兄の死」というエッセーに書かれていて、一読して胸がシンと静まりかえるような文章に打たれる。
志村ふくみさんはやはり当代で最も美しく痛切な文章を書く人ではあるまいか。
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by maru33340 | 2009-02-27 23:29 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2009年 02月 27日

『洲之内徹が盗んでも自分のものにしたかった絵』(求龍堂)

洲之内徹さんの『気まぐれ美術館』のシリーズは一時随分愛読していて、その全てを持っていたけれど、何度か転勤を繰り返しその都度本を整理している間に手放してしまい、今は手元には文庫本しか残っていない。
もちろん文庫でもその文章は読めるけれど、元のハードカバー(毎回形態が異なる)で読んだ時の、ジンワリ心に残る感じは少し薄まってしまう。
昨日、銀座の教文館で『洲之内徹が盗んでも自分のものにしたかった絵』を見つけ、帰りの電車の中でパラパラと眺めていて愕然としてしまった。
この本は、いわば『気まぐれ美術館』からの絵と文章のアンソロジーなので、ほとんど見覚えがあるだろうと思っていたのに、これが大半覚えていなかった。
あの愛読したという時間は何だったのか、と一瞬思った。
しかし、このアンソロジーの文章は、今読んでみて、どれも昔以上に心に染み、絵はどれも興味深い。
時間は僕に忘却とともに成熟を与えてくれたのだろうか。
もう一度、洲之内さんの本を古本屋で買い直して、これから読み返してみたい。
もしかすると、若い時に読んで気がつかなかった事を、再読の中で発見するということは、歳を重ねる事の最高の贅沢なのかも知れない。
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by maru33340 | 2009-02-27 08:42 | お勧めの本 | Trackback | Comments(0)
2009年 02月 21日

『断る力』(勝間和代、文春新書)

昨日購入したこの本を昨夜一気に読了した。
僕は必ずしも勝間さんの良い読者ではないけれど(どうも「勝利の方程式」という風情が苦手だったので…)、この本には納得出来る所が多かった。
この本で勝間さんは自分の経験を率直に語りながら「断る力」が自分の人生を変える事が出来ると具体的な方法を開示しています。
基本的な哲学は「自分に対して責任をすべて持てるのは、自分一人だけ」という考え方。
「断ること」は「人から嫌われるなどのリスク要因」を自分で引き受ける生き方。他人に対して断ることをせず「リスク・ミニマイズ」な生き方をしていくと、自分も社会も活力を失ってしまう。
僕はどちらかというと調整型の人間(本当は違うのかも知れないけれど)として会社員生活を続けてきたけれど、最近どうもこれでは単なる便利な人になってしまうのでは、と少し危機感のようなものを感じていたので、この本の「断る力」(アサーティブ)には共感出来る所が多くあったのだと思います。
もう少し早く気付いていれば…とも思ったけれど、これから少しずつ自分の人生に取り入れていきたいなどと感じています。
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by maru33340 | 2009-02-21 07:47 | お勧めの本 | Trackback | Comments(0)
2009年 02月 20日

幸福な本屋

最近「丸善 丸ノ内店」が気に入っている。
広々とした明るい店内に入ると、仕事帰りで疲れた心に少し灯が燈るような気持ちになる。
今日はこの所かかりっきりになっていた少し大きな会議が無事に終わったので、帰りに立ち寄り、これは自分へのご褒美とばかり本を買い込んだ。
何冊かを抱えてレジに運んだ本の中に、偶然見つけた『船に乗れ!Ⅰ合奏と協奏』(藤谷治)というクラシック音楽を舞台にした青春小説もあったのだけど、表紙にほんの小さな破れがあったのをレジの女性が見つけて、「よろしければ交換してまいりましょう。」と新しい本を棚に取りに行ってくれた。そんなに気になるほどでもないし、選んだのは僕なんだから別にそんな手間暇かけることはなかったけれど、僕にはその気持ちが妙に嬉しかったのですね。
また『丸善丸ノ内店』が好きになってしまった。
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by maru33340 | 2009-02-20 20:26 | お勧めの本 | Trackback | Comments(1)
2009年 02月 19日

『相棒』(蜜愛)

昨日放送の『相棒』(蜜愛)を家人の奨めでビデオで見た。
これは素晴らしいドラマでした。
登場人物三人によって演じられるドラマは舞台劇のように緊密な緊張感に満ちている。
フランス文学の翻訳家を演じる岸恵子は高貴で美しく、そして哀しい。国広富之の内面的な演技もよかった。
映像は沈んだブルーに統一され、音楽もマーラー、ドホルジャーク等のクラシック音楽が適材適所に使われ効果を上げている。
ドラマで引用されるジャン・タルデューの詩「空席」からのの、
「死者たちがもはや黙っていられないからには、生者たちも沈黙を守ってよいのか?」
「Puisque les morts ne peuvent plus se taire,est-ce aux vivants a garder leur silence?」
という言葉が見終わって深く心に残ります。
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by maru33340 | 2009-02-19 21:15 | TV | Trackback | Comments(0)
2009年 02月 18日

口笛を吹きながら夜を行け

五木寛之さんが今月発売の「新潮45」にエッセーを寄せている。
五木さんは、今の、経済、人間、環境全てが危機的な時代をまさに「地獄が到来した」と認識していて、この地獄は今後50年は続くだろうと語る。
最近僕も新聞やニュースで様々な報道を見聞きしながら、もしかすると五木さんの言うように「地獄の時代」が到来しているのではと暗然とする事が多く、いささか落ち込みがちだった。
しかし、五木さんは先のエッセーで、そのような時代だからこそ「口笛を吹きながら夜を行け」という言葉が必要なのでは、と語る。
僕にはこの言葉は一つの啓示のように響いて、思わずこのブログのサブタイトルにしてしまった。
(続く)
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by maru33340 | 2009-02-18 18:36 | 日常 | Trackback | Comments(0)
2009年 02月 17日

『自分の仕事をつくる』読了

往復の通勤電車の中で『自分の仕事をつくる』を読了した。その中で、アニメーターの森本晃司氏が「自分の仕事の解像度を上げるために心がけていることは?」という問いに「自分がとことん馬鹿になれることを、忘れないこと。」と語っているのが印象に残った。
「馬鹿がする仕事の素晴らしさは、それが無償のものであることに尽きる」という著者の言葉も面白い。
またミヒャエル・エンデの「どんなことでも、意図をもちすぎてやるべきではないと思います。ものごとには、その価値が、まさに意図のないところにある、というケースもあるわけですから。(中略)経験というものは、何か他のことに役立つから重要なのではなくて、たんに存在しているというだけで重要なんです。」という言葉も、今の僕にとっては示唆的だ。
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by maru33340 | 2009-02-17 12:43 | お勧めの本 | Trackback | Comments(0)
2009年 02月 16日

GDP年率12.7%減

35年ぶりのGDP2ケタ減だという。
今僕たちは、歴史的な経済的大変革の時代にいる。

何を隠そう僕は経済学部卒。学生時代は全く経済学に興味がわかず、何とか卒業した人だけれど、今本気で経済学の勉強を一から始めようと思っています。
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by maru33340 | 2009-02-16 22:33 | お勧めの本 | Trackback | Comments(0)
2009年 02月 15日

『自分の仕事をつくる』(西村佳哲著、ちくま文庫)

思えば、随分長くサラリーマンとして生きてきた。
大学を出てから今の会社に入ってもうすぐ27年になる。
その間「まあ、こんなもんだろう」と何とかやってきたけれど、50歳を目前に控えて、ふと「大きな不満もないけれど、大きな充足感もない今の生き方を続けていて果たしていいものか」という問いが頭を掠めるようになってきた。
そんな時この『自分の仕事をつくる』という本を読んだ。

この本は「仕事とは何か」「良い仕事はどこから生まれるのか」「仕事を自分の仕事にするためには何が必要なのか」という問い掛けを胸に、著者がさまざまな「良い仕事」の現場を訪ねたインタビューと思考の記録。

随所に今自分が漠然と感じている問いへのヒントがある。
この本には答えは書いていないけれど、おそらく読む人の数だけヒントはあるはずだ。

例えば今の僕の胸に響く言葉は次のようなもの。

・「こんなものでいい」と思いながらつくられたものは、それを手にする人の存在を否定する。

・この世界は一人一人の小さな「仕事」の累積なのだから、世界が変わる方法はどこか余所にあるのではなく、じつは一人一人の手元にある。多くの人が「自分」を疎外して働いた結果、それを手にした人をも疎外する社会が出来上がるわけだが、同じ構造で逆の成果を生み出すこともできる。
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by maru33340 | 2009-02-15 17:18 | お勧めの本 | Trackback | Comments(0)
2009年 02月 14日

『ベンジャミン・バトン』

今日は昼間は休日出勤。
帰宅後レイトショーで映画『ベンジャミン・バトン』を見る。
老人で生まれて次第に若返っていくというテーマは、一つのファンタジーだけれど、なかなか見応えのある映画でした。
映像も美しいし、音楽も良い。
見終わって、主人公とともに彼の数奇な一生を生きたような心地良い充実感に満たされる。
「果たして永遠とは存在するか」という問いが全編を流れているのも、いろいろ考えさせられるなあ。
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by maru33340 | 2009-02-14 23:52 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)