新・クラシック音楽と本さえあれば

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2009年 06月 30日

『神々の乱心』(松本清張)①

松本清張の未完の遺作である『神々の乱心』を読了した。
これはもし完成していれば間違いなく清張の代表作となっていたであろう作品だと思う。
この作品は、それまでの推理小説執筆の経験や「昭和史発掘」などの資料を駆使し、天皇制の深層に迫ろうとする大変スケールの大きい野心作であり、いわば昭和最大のタブーである「お濠の中の謎」を説き明かそうという若々しい情熱に満ちている。
「新興宗教と時代との関係」について踏み込んでいるという点では『1Q84』にも通じる。
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by maru33340 | 2009-06-30 08:55 | お勧めの本 | Trackback | Comments(0)
2009年 06月 28日

映画『人生に乾杯』

ハンガリー映画の『人生に乾杯』を見る。これは楽しくて暖かい余韻の残る佳品でした。
81歳と70歳のエミルとヘディの夫婦は年金だけでは暮らして行けず二人の出会いのきっかけのダイヤのイヤリングまで借金のカタにとられてしまう。
これに怒りを覚えたからか(?)夫エミルは紳士的強盗を重ね、妻のヘディも共に逃避行をする。
二人の行動は民衆の共感を呼び思わぬ結末が…
主演の二人がチャーミングで微笑ましく、無茶なストーリィにも関わらずすんなり共感してしまう。
見終わってほんのり幸せになれる、とても良い映画でした。お勧めです。
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by maru33340 | 2009-06-28 17:46 | お勧めの本 | Trackback | Comments(0)
2009年 06月 28日

柳家権太楼一門会

昨夜(6月27日)は池袋にある東京芸術劇場小ホールに柳家権太楼一門会を聴きに出かけた。
さすがは一門会、チケットの申し込みの電話をすると「はい、権太楼です。」とおかみさんが電話に出て注文をとる。
当日のロビーでは権太楼師匠が自らデザインしたTシャツにサインをしてくれる、という家族的な楽しい雰囲気。
当日の師匠の演目は「おばけ長屋」。やはり絶品。やんちゃさと愛嬌が詰まった権太楼の世界を堪能しました。
トリは弟子の甚五楼が「大山詣り」を熱演。もう少し余裕が欲しいかな。
面白いかったのは、ほたるの「反対車」。オチの前にもう一つオチをつけて観客を裏切るなど若さゆえの悪戯心と愛嬌は師匠譲りか。
来年からの一門会は日本橋で開催との事。早速先行予約をして帰宅の途につきました。
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by maru33340 | 2009-06-28 17:27 | お勧めの本 | Trackback | Comments(1)
2009年 06月 25日

能登金剛・厳門への旅

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静養中の旅先として北陸の金沢・能登の地を選んだ理由は二つある。
一つは金沢赴任時代の知人、友人とともに金沢の旨い魚を食べながらよもやま話をしたかった事。
二つ目は、最近凝っている松本清張の小説『ゼロの焦点』の舞台である能登金剛を訪ねたかった事である。
北陸赴任中には何度か能登有料道路を通り七尾や和倉温泉を訪れた事はあったけれど、能登金剛に足を延ばした事はなかった。
しかし小説『ゼロの焦点』を読み、昭和35年に作られた映画で昭和30年代の金沢・能登の風景を見ているうちにどうしても現在の能登金剛の風景の中に身を置きたくなった。

調べてみると、映画のラストシーンの舞台となったヤセの断崖は、能登地震のおりに崩れ落ちていた事がわかった。
そこで『ゼロの焦点』執筆にちなんだ松本清張の歌碑があるという厳門に向かう事にした。

厳門に行くためには金沢から羽咋経由門前行きの特急バスに乗り富来で降り、そこからタクシーに乗り全行程は約2時間かかる。
バスのチケット売り場で富来までの往復チケットを頼むと、そんな酔狂な客はあまりいないようで、少し怪訝な顔をされながら、ハンコを押した手作りのチケットを作ってくれた。
平日の能登門前行き特急バスは乗客数名を乗せ曇り空の下静かに出発した。
しばらく走り能登有料道路に入る。
窓の外を眺めると、重く垂れ込めた雲の下で、昨夜からの雨で荒れた日本海を鴎が飛んでいるのが見える。
富来のバス停留所に降りた乗客は二人。一台だけあったタクシーに乗り厳門に向かう。
厳門の手前から空は嘘のように晴れ渡り、その岸壁から眺める日本海は、昨夜川から流れ込んだ泥の部分とやや薄い碧と濃い碧の部分の三食に別れて高い白波をたてて広がっている。(写真)
その景色はまさに松本清張の世界。
充分にその世界を堪能し、再び富来のバス停留所に戻るためタクシーを呼んだ所、運転手さんは行きと同じ人だった。
能登についてあれこれと話をしながら降りる時には大きな能登ドライブマップをくれた。

再び富来から金沢にバスで戻り能登金剛厳門の旅は終わった。
ここまで読んでいただき、どうもお疲れ様でした。
書いてる私もくたびれた。
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by maru33340 | 2009-06-25 15:29 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2009年 06月 24日

『叙情と闘争』(辻井喬・堤清二回顧録)

静養中の身なれども、医者から旅行の許可が出たので、北陸(金沢・能登)に二泊三日の旅に出かけた。
今回の旅の間、友人から薦められたこの『叙情と闘争』をずっと持ち歩き読み続けた。
これは詩人・作家であり元セゾングループの代表であった辻井喬(堤清二)が、その半生を率直すぎるほどに回顧した、極めて興味深い一冊だった。
かつて僕が大学生だった時代(1980年代初頭)西武百貨店は輝いていたように思う。
「おいしい生活」というコピーに代表されるように消費することが美しく文化的にさえ見えた時代があったことは、今のすっかり凋落してしまった西武を見ている僕らにはまるで幻のように思えてしまう。
この本からは、そうした幻のような熱狂の時代を、詩人と経営者という矛盾を抱えながらその中心で生きてきた一人の人間の孤独が生々しく聞こえてくるようだ。
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by maru33340 | 2009-06-24 10:47 | お勧めの本 | Trackback | Comments(1)
2009年 06月 19日

映画『花とアリス』

蒼井優、鈴木杏主演のこの映画は2004年に封切された時に見たいと思ったまま見逃していた。
この機会にDVDを借りて見た。
これは素晴らしい映画だった。
映画全体を流れるふんわりとした空気感。
風や雨を感じるような映像。
主演二人の自然な演技。
どれをとっても奇跡としか言いようのない完成度。
ラストシーンの蒼井優が演じる紙コップをトウシューズの代わりにオーディションでバレーを踊るシーンは日本映画史に残る名シーンだと思う。
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by maru33340 | 2009-06-19 15:13 | お勧めの本 | Trackback | Comments(0)
2009年 06月 16日

2つの『ゼロの焦点』

今年は松本清張の生誕100年という事でいくつかの作品が映像化される。
先日テレビドラマとして放映された『駅路』は向田邦子の脚本も素晴らしく胸に迫る作品だった。
この秋には初期の傑作『ゼロの焦点』が映画化されるということなので原作を読み返してみた。
テレビドラマにもなっていたと思うので読んでいる内に内容は次第に思いだしたけれど、やはり松本清張の原作は読み始めるととめられない緊迫感があり傑作だった。
今は時間があるので昭和35年に映画化された作品をDVDで見た。
これは前半はほぼ原作通りに進むけれど、ラストに入り能登金剛の絶壁で殺人の動機が語られる部分が橋本忍の脚本によって大きく膨らんでいて、(原作ではやや唐突な感じが否めない)動機について十分納得出来るようになっていて、その哀れさがソクソクと胸を打つ名作になっている。
北陸に二年間単身赴任していたので、金沢の風景の変化も興味深い。
しかし平成21年の今若い観客がこの動機に対して共感を感じる事が出来るかしら?とふと思う。
昭和22、23年頃敗戦後の日本が置かれた特殊な事情が大きく背景にあるので、果たして現代に生きる若い人にどう受けとめられるのかが興味深い。
この秋公開の映画はそこをどのようにクリアするのだろうと今から楽しみですね。
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by maru33340 | 2009-06-16 15:42 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)
2009年 06月 15日

映画『キサラギ』

静養生活もそろそろ二週間。午前中と夕方は相変わらず家事手伝いの日々。
少し要領をつかんで来たので、昼食後少し時間が取れるようになったので、この機会に見逃した映画をDVDで見る事にする。
今日は映画『キサラギ』を見る。
この映画は面白いと評判だったけれど見逃していたので、前から見たいと思っていましたが、予想以上に面白かった。
自殺した(と言われていた)アイドルの命日に集まった五人のファンが、彼女の死の真相を探る一風変わったミステリー。
登場人物の一癖も二癖もある五人の描き方が面白い。
舞台はほとんど一つの部屋で五人がかわす会話だけから成り立っている。
それでいて2時間目を離す事が出来ない。
日本映画の秀作でした。
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by maru33340 | 2009-06-15 17:56 | お勧めの本 | Trackback(1) | Comments(2)
2009年 06月 10日

ゆるやかなハードルを超える事

自宅静養しながら家事をしていると、本当に家事にはキリがないと気付く。
けれど「今日はこれをやろう」とゆるやかな目標をたててやり遂げられた時にはちょっとした達成感があって気持ちが良い。

仕事を休む前には、いくつかの課題を抱えていて、しかも期限が迫っていて、やれどもやれども超えられない断崖が迫ってくるようで、その圧迫から体調を崩してしまった。

今から思えば、落ち着いて一つ一つ優先順位をつけて、周りの助けを借りながら進めればなんとか乗り越えられたはずなのに、一杯になってしまった。

今は毎日の生活の中で、ゆるやかなハードルを超えていく事で身体のリズムを整えていこう。
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by maru33340 | 2009-06-10 09:10 | 日常 | Trackback | Comments(6)
2009年 06月 09日

静養便り

自宅静養を始めて今日で五日目。

家人が仕事をしているので、ゆるゆると朝の掃除をしたり、近所のスーパーに買い物に行ったりしている内に午前中は終わる。
昼ご飯を作り、本を読みながら医者から言われた通り軽く昼寝をしていると、あっという間に夕方となり、洗濯物を取り入れ、夕食の準備の時間になる。
運動不足解消のため散歩代わりに駅前の本屋まで往復するとやはり少し疲れてしまうのは、まだ本調子ではないからか。
しかし、こうしてみると家事というのは随分時間がかかるものだなあ。

今まで気付かなかった日常生活の中の発見もある。

この経験をこれからの人生にどう生かすかゆっくり考えを巡らそうと思います。
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by maru33340 | 2009-06-09 21:42 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)