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2009年 09月 27日

クレンペラーの「大地の歌」

先日クレンペラー指揮のマーラー交響曲7番を聴き、改めてクレンペラーの凄さを思い知り、「大地の歌」を購入した。
こちらも名盤として定評があるものだったけれど、なんとなくこの曲とクレンペラーは相性が良くないのではと思いこんでいて、手に取った事はなかった。

結果的に今回聴き感じたのは、「ごめんなさい。私が間違ってました。クレンペラーさん、やはりあなたは凄かった。」という事でした。

こんなに感傷から遠く、純音楽的なマーラーはなかなかない。一音一音が明晰だし、曲の構造がはっきりと見えるよう。
ヴンダーリッヒとルードウ゛ィッヒの二人の歌手も素晴らしい。

これからも秋になると聴きたくなる愛聴盤になりそうです。
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by maru33340 | 2009-09-27 15:37 | お勧めの本 | Trackback | Comments(0)
2009年 09月 25日

『それからはスープのことばかり考えて暮らした』(吉田篤弘)

一昨日、上野鈴本でチケットを買うために並びながら、買ったばかりのこの『それからはスープのことばかり考えて暮らした』を読み終えた。

これはとても気持ちの良い小説。
世間の片隅にひっそりと暮らす人々のささやかな想いを、そっと掬い上げて、瀟洒な器に盛り付けたような物語。
味付けは、これ以上薄くすることは出来ない程淡泊。
悪い人間は出てこない。

お腹が空いているときには向かないけれど、「最近、少し何かが足りないな」、と空を見上げながら感じる秋の昼下がりなんかに読むと、心にすとんと落ちてくる。

勿論寄席の切符を買うために並びながら、時々街を行く人々を眺めつつゆっくり読むのに、こんなに相応しい物語はない。

それからはスープのことばかり考えて暮らした

吉田 篤弘 / 暮しの手帖社


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by maru33340 | 2009-09-25 07:46 | お勧めの本 | Trackback | Comments(0)
2009年 09月 23日

上野鈴本九月下席(夜の部)

シルバーウィークの最終日。
この休みはほとんど自宅近くでのんびり過ごしたけれど、今日は上野鈴本まで出かけた。

今日のお目当ては、白酒、権太楼、志ん輔。

白酒は「真田小僧」。子供が按摩の物真似をする所に、白酒らしい工夫があったけれど、白酒ならもう一歩踏み込んで欲しいと思うのは欲張りすぎかな。
権太楼は「壷算」。
これは芸風にぴたりとはまる爆笑噺。
安心して、その世界に浸れる。

トリの志ん輔は「佃祭」。
この噺は大好きな噺。師匠の志ん朝の18番を、口跡も良く気持ち良く聞かせてくれる。
やはり今の志ん輔は油が乗っている。

客席は6分位の入りでしたが、総合的に満足出来る高座でした。
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by maru33340 | 2009-09-23 21:19 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2009年 09月 23日

やはり、市馬さんはいい人だった

今日は鈴本の9月下席を聞きに上野まで来ている。

ちょうど2時頃昼ご飯を食べて、いくらなんでも今から夜の部のチケットを買うため並ぶのは早過ぎるかなと思いながら、ぶらぶらと鈴本前を歩いていると、昼席を終えた柳亭市馬師匠が出て来るのに出くわした。

思わず「お疲れ様です。」と声をかけると「あっ、どうも。」と笑顔を返してくれた。

やはり市馬師匠はいい人だったと、寄席の始まる前から良い気分になった。
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by maru33340 | 2009-09-23 14:28 | お勧めの本 | Trackback | Comments(1)
2009年 09月 22日

『日米同盟の正体〜 迷走する安全保証〜』(孫崎亨)

鳩山総理がアメリカに出発した。
テレビでは幸夫人の外交手腕をオバマ夫人と比べたりして、面白可笑しく囃し立てているけれど、勿論大切なことはそこではない。

外交の最大の目的は国益の維持にある。

安全保障条約下にある日本は、国際社会で生きていくためにはアメリカの意向を受けざるを得ないわけだけれど、この本の著者孫崎亨氏によれば、従来の日本の安全保障政策は根本的欠陥を持っているという。
それは、世界の軍事戦略では、安全保障上、他の国に攻撃されないためには、攻撃した方の国が軍事的に攻撃以上の報復を受ける時に初めて成り立つものだが、現在の日本にその能力は許されていない。
攻撃の役割は米軍が担っている。

この現実の中、日本は国益を守るために何をすべきなのか?
というような事を、恥ずかしい話、正直今まで僕は真剣に考えた事はなかったのだが、その事実にいったん気がつくと、我々の置かれている平和という現実が、いかに危うく脆い基盤の上に立っていたかと思い愕然となる。

この『日米同盟の正体』という本は安全保障の実態とその変質について、丁寧に解説してくれている良書とみました。

日米同盟の正体~迷走する安全保障 (講談社現代新書)

孫崎 享 / 講談社


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by maru33340 | 2009-09-22 16:03 | お勧めの本 | Trackback | Comments(0)
2009年 09月 21日

ドラマ『官僚たちの夏』(最終回)

政治と官僚との確執をもテーマにしたこのドラマを、毎週楽しみに見ていた。

昭和30年代の、岸、池田、佐藤三代の総理の時代を背景に、通産省の官僚達の攻防を描くこのドラマを見ながら、やはり日本という国の最大の課題は「アメリカとの関係」にあるという事だった。

敗戦後の進駐軍による支配の時代を経て高度成長の時代に至るまで、日本はアメリカという巨大な存在に翻弄される小船であったのかも知れない。

しかし、その船の船長や乗組員達はなんとか船を操りながら世界という荒波に漕ぎ出していった。

冷戦構造の時代が終わり、やがてアメリカとイスラムや北朝鮮との対立に終止符が打たれる時が来たときに、世界の中の日本の役割は何処にあるのか?

ドラマでは主人公である通産省官僚の風越や庭野が、結局アメリカからの沖縄変換の交渉のための見返りとして、切り捨てられた繊維業界の人々に押し潰されるという苦い結末となったけれど、果たして政権交替後の日本はアメリカとどのような関係を築くべきなのだろうか?
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by maru33340 | 2009-09-21 16:38 | お勧めの本 | Trackback | Comments(0)
2009年 09月 21日

恵比寿へ 写真美術館へ



昨日は気持ちの良い秋晴れ。

散歩変わりに恵比寿の写真美術館に出かけた。

運よく(かどうかわからないけれど)「恵比寿麦酒祭り」の開催中で、お昼時だったこともあり、写真を見る前にハーフ&ハーフビールを飲んでしまう。

少しほろ酔い気分で、コレクション展を眺めながら次回予告セバスチャン・サルガド展のリーフレットを見て、酔いが覚める。

セバスチャン・サルガドの写真には、原初的で神話的なアフリカの裸形の美が息づいている。
静かでありながら、力強く骨太なその写真は、見るものの心の奥底を揺さぶるような激しさがある。

10月24日から展示が始まるらしい。
是非見に行かなくては。

Africa

Mia Couto / Taschen America Llc


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by maru33340 | 2009-09-21 08:14 | 写真 | Trackback | Comments(0)
2009年 09月 20日

ヌーブルジェのベートーベンピアノ協奏曲

N響アワーで、ヌーブルジェのベートーベンピアノ協奏曲1番を聴く。
17歳でパリ音楽院を卒業した、22歳のフランス期待の新鋭の演奏は一音一音の泡立ちがよくタッチも清新で、まるで一流のシャンパンの泡のように美しい。
全く淀むことなく、流れるように滑らかでありながら、全体を見通す構成感もある。
溌剌としていながら、既に大家のような落ち着きもあるヌーブルジェが、これからどんな高みに昇りつめるのか、楽しみです。
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by maru33340 | 2009-09-20 21:55 | お勧めの本 | Trackback | Comments(0)
2009年 09月 19日

クレンペラーのマーラー交響曲7番

学生時代にクレンペラーのマーラー交響曲7番を聴いてそのあまりに個性的なテンポに驚愕し、機会があればもう一度聴いてみたいと思っていた。
今月そのCDが12年振りに再発売され、早速購入。
今日聴き終えて、これは本当に凄い演奏であると改めて実感した。

第1楽章からして、異常に遅く暗く重い。
巨人が中欧の深い森の中を、足を引きずりながら一歩一歩歩いているようなテンポが、時々停止もする。
これは果たして音楽なのか、とさえ思う。

2楽章の深い美しさ、3楽章のスケルツォの不気味なテンポ、4楽章の思いがけない抒情的表現を経て、とうとう終楽章に至ると、何かの間違いではないかと思うほど遅いテンポでロンドが始まる。
その演奏は力強いのを通り越して、暴力的な程。

一般にマーラーのこの7番は、まとまりがなく聴き通しにくいと言われるけれど、このクレンペラーの演奏で聴くと、あっというまの99分が過ぎていく。

いやはや、恐るべしクレンペラー。

マーラー:交響曲第7番

クレンペラー(オットー) / EMIミュージック・ジャパン


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by maru33340 | 2009-09-19 15:21 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(0)
2009年 09月 18日

元の木阿弥にならないために

民主党の新大臣が張り切っている。

その内容の是非や実現可能かどうかはさておき、その心意気は買いたい。

長い間に蓄積された政治と官僚の癒着構造から生じた膿はそう簡単には消えないだろうし、官僚による様々な懐柔策に篭絡される大臣も出てくるやも知れぬ。
(官僚も生き残りもかかっているから必死でしょうなあ。)

怖いのはこれから時間が経つにつれて、今の初心が薄れた頃に、なし崩し的に、前政権と同じような構造になってしまうことだ。

喉もと過ぎて、元の木阿弥にならないようにするためには、我々一人ひとりが(今度は本気で)今の政治がどうなっていくかを見つめ、声を出すことだろう。

そういう意味で、これから試されるのは民主党ではなく、我々一人ひとりの資質なのだと思う。
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by maru33340 | 2009-09-18 12:51 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)