新・クラシック音楽と本さえあれば

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2011年 01月 31日

デビッド・ジンマンのマーラー交響曲六番『悲劇的』

この所はまっている指揮者デビッド・ジンマンによるマーラー交響曲六番『悲劇的』を聴いている。

この人の演奏するマーラーは、まるで夢の中での出来事のように美しく懐かしい。

対象を俯瞰して客観的に捉えながら、細部まで精緻に磨きあげたその演奏は、上質のシルクのような柔らかい手触りを持ち心地よい。

果たしてマーラーの音楽がこんなに美しく心地よくて良いのかと、一抹の不安はあるけれど、この美のもたらす陶酔感には抗しがたい。

やはりマーラー演奏史のエポックメイクとなる画期的な演奏だと思う。
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by maru33340 | 2011-01-31 07:55 | お勧めの本 | Trackback(1) | Comments(1)
2011年 01月 30日

冬の昼下がりに、映画『僕と彼女の1778の物語』を見る

今日は、草薙君と竹内結子の主演した映画『僕と彼女の1778の物語』を見た。

これはとても素晴らしい映画だった。

癌で余命わずかと告げられた妻のために、作家である主人公が、毎日一つ物語を書く・・・

ストーリィーからは、単なる難病もののように思えるけれど、映像と音楽のもたらす透明感と主演二人の抑えた演技が、この物語をとても美しいものにしている。

演出は手堅く、随所に置かれたユーモアもこの映画を暗い話になってしまわないよう効果を上げ、良質のファンタジーに仕上がっている。

見終わって心が洗われたような気持ちになり、帰り道では冬の蒼く澄んだ空を見上げながら歩いた。
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by maru33340 | 2011-01-30 15:54 | 映画 | Trackback | Comments(2)
2011年 01月 28日

網膜に空いた穴

飛蚊症というのかしら。

最近、目の前を黒い粒のようなものが横切るのが気になっていて、今日眼医者に出かけた。

確かに飛蚊症の症状はあるし、何より右目の網膜に穴が空いているとのこと。

早いうちに治療したほうがいいと、直ぐにレーザー光線で打たれること数十回。

確かに黒い粒は減った。

原因は「老化によるもの」とのこと。

いやはや…
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by maru33340 | 2011-01-28 23:12 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2011年 01月 27日

デビッド・ジンマンのマーラー交響曲10番(カーペンター版)

マーラーの未完の交響曲10番はやはり一楽章が圧倒的に素晴らしい。
特に世界の崩壊するような不協和音の響くクライマックスは、いつ聴いても背中に戦慄が走るよう。

ジンマン指揮によるマーラー交響曲10番は、やはり他の演奏と同じく客観的で非常に美しい。

問題はカーペンター版ということになるが、まるでハリウッドの映画音楽のように退廃的なまでに甘美なアレンジは、マーラーの音楽ではないと言えばそれまでで、これが彼の最後の交響曲だと思うことは出来ない。

しかしながら、これはこれで全く別の曲、マーラーがどのようにして次世代に引き継がれたかの一方の極として聴くこともありかも知れない。
(かどうかはまだ確信はないので改めて聴き直します)
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by maru33340 | 2011-01-27 21:36 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)
2011年 01月 26日

デュプレのフランク・チェロソナタ

この曲はフランクのヴァイオリンソナタをフルニエがチェロのために編曲したもの。

この録音の当時デュプレは既に病魔に冒されていたが、演奏には病の影はない。

あくまで高貴で美しいフランクのメロディが、少し渋味のある音色で、あたかも語るかのように奏でられる。

この曲は僕にとっては永遠に青春の音楽であり、聴いていると一瞬にして二十歳の頃の憂いを思い出す。

何故この曲を聴くだけで、いつも甘いような苦いような胸が詰まるような思いになるのだろう。
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by maru33340 | 2011-01-26 22:49 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)
2011年 01月 26日

『きことわ』(朝吹真理子著、新潮社)

朝から頭痛がひどく目眩もするため、今日は会社を休む。

幸い今日は長い研修の日々の切れ間で、気の弛みから少し疲れが出たのかも知れない。

横になりながら、今年芥川賞を授賞した朝吹真理子の小説『きことわ』を読んでいる。

「永遠子は夢を見る。
貴子は夢を見ない。」

という印象的な文章で始まるこの小説は、夢と失った時間と死者を巡る美しい小説だ。

ひらがなを多用し、所々に古雅で不思議な言葉遣いが交じるその文章は透明な白湯のような温もりを持つ。
例えばこんな文章。

「目の前を母親のすがたが過ぎる。当時、九歳になったばかりだった娘も母親の享年を越えてゆく。貴子は同い年となった母親の面影をみとめた。どうして死んだのかという埒もないことばが頭をもたげる。死人のことはいくらでも思い出せる。たしかめようがないからなのかもしれなかった。貴子は、自分が母親に会えないのは、母親にみられている夢の人だからではないかと思った。母親が起きている間貴子は眠り、貴子が起きている間母親は貴子の夢を見ている。自分は夢にみられた人なのだから、夢をいつまでもみないのではないかと、それこそ夢のようなことを、とぎれとぎれの意識のなかで思っていた。」

プルーストを思わせる柔らかい文章で書かれたこの小説を読むこと自体が、まるで目覚めたまま夢を見るような不思議で心地よい体験だった。
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by maru33340 | 2011-01-26 15:23 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2011年 01月 25日

『彼女が演じた役〜原節子の戦後主演作を見て考える〜』(片岡義男著、中公文庫)

原節子の代表作はやはり『晩春』『麦秋』『東京物語』の紀子三部作になる。

片岡義男はこの本で、その明晰な文章を駆使して、戦後の原節子の主演作を全て見た上で、何故紀子三部作が彼女の代表作であるのかを精緻に語る。

三部作以前の原節子の主演作六作は僕は未見だけれど、三部作以後の『東京暮色』『秋日和』は見たことがある。
確かにこの二作品は、小津監督自身の作品の自己模倣になっていて、もう一つ感心しなかった記憶がある。

片岡義男は紀子三部作の優れた点を具体的なシーンに則して語り興味はつきず、また三部作を見直したくなる。

これは本を読む事の楽しみにも満ちた素晴らしい本だ。
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by maru33340 | 2011-01-25 07:38 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)
2011年 01月 23日

ドラマ『冬のサクラ』

三年前の冬。

金沢に単身赴任していた頃、あの冬は今年程雪は降らなかったけれど、それでも炬燵に入りながら独り窓の向こうに降る雪を眺めつつ、毎晩『冬のソナタ』を見たのを思い出す。

翌日の朝、昨夜降り積もった雪を踏みしめながら会社に向かう間も、そのテーマ曲が頭の中で響いていた。

先週から始まったドラマ『冬のサクラ』は、『冬のソナタ』からの遠い響きを感じさせながら、切ない物語を展開する。

十一年ぶりにドラマ出演する今井美樹は、そんな純粋で哀しい物語のヒロインにふさわしく、透明で美しい。

このドラマを見ながら、随分昔、その今井美樹の歌を教えてくれた人もまた、雪の中に独り佇むような切ない風情の人だったことを思い出していた。
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by maru33340 | 2011-01-23 22:55 | お勧めの本 | Trackback | Comments(1)
2011年 01月 22日

エフゲニー・ズドビンの激しい「夜のガスパール」

今日は「彩の国芸術劇場」にエフゲニー・ズドビンのピアノ・リサイタルを聴きに出かけた。

ズドビンは1980年にサンクトペテルブルグに生まれた若手ピアニスト。

強靭なタッチと超絶的な技巧の持ち主で、今日の演目では、シャスタコーヴッチの前奏曲とラヴェルの「夜のガスパール」にその長所が生きた。

特に「夜のガスパール」のスカルボは鳥肌が立つような壮絶な演奏。

更に官能的な味わいが加われば一層味わいが増すだろう。

逆にショパンの二曲のバラードにはもう少しニュアンスが欲しい所。

アンコールのラフマニノフの二曲は素晴らしい出来。
コクと技巧のバランスがしっかりマッチした、名演。

機会があれば実演で、ピアノコンチェルトを聴いてみたい演者です。
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by maru33340 | 2011-01-22 22:29 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(1)
2011年 01月 20日

今日から十日間の興業です

社内研修のため、今日から一日三回、合計十日間の興業が始まる。

一日に浅草演芸場、新宿末広亭、上野鈴本を掛け持ちする咄家の心持ち。

最も当方は持ちネタはひとつ。
お客さんから「雪に隠れた白兎」を紙切りでやってくれという難しいリクエストが来る心配もない。

一ヶ所アドリブがきく部分があるので、ここだけはお客さんの反応でネタを変えられるのが楽しみ。

あっ、そろそろ準備ですか?

では行ってまいります。
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by maru33340 | 2011-01-20 07:07 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)