新・クラシック音楽と本さえあれば

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2011年 02月 28日

映画『英国王のスピーチ』がアカデミー賞作品賞授賞!

近来まれな快挙がおきた。

この土曜に見た映画『英国王のスピーチ』が、本年度のアカデミー賞作品賞を授賞したのだ。

確かに有力候補だったし、映画としては、配役、ストーリー、音楽、映像、どれをとっても非の打ち所がない、堂々たる名画だった。

しかし、唯一と言っていい気がかりはあった。

新作にして既に古典的名作の風格のあるこの作品には「現在」は反映されていない。
一方、対抗と目されていた『ソーシャルネットワーク』はまさにバーチャルに浸食されつつある「現在」そのものを描いている、ということだ。

しかし結果は『英国王のスピーチ』の作品としての質の高さが評価された形となった。

本物が評価されるこの世の中、なかなか捨てたもんじゃないと思いながらも、一方で自分自身が生きているのは、第二次世界大戦前夜ではなく、皮相でバーチャルな「現在」なのだという現実を思うと、少し複雑な気持ちにもなったりするのだけれど…
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by maru33340 | 2011-02-28 22:41 | Trackback | Comments(2)
2011年 02月 27日

「琳派芸術」を見る

出光美術館で開催されている「琳派芸術」(第2部)を見に行った。

ちょうど東京マラソンの一群が銀座を通過する時間帯で道を渡るためには、地下を通らなければならず、それはそれで面白い。

さて、今回の第2部には有名な「風神雷神図屏風」が展示されていて楽しみにしていたけれど、眺めているうちになんだか僕のイメージの中での「風神雷神」達と比べて随分大人しい感じがしてきた。

良く見ると、今回の「風神雷神」は酒井抱一のものだった。

僕のイメージの中の、やんちゃで動的な、まさにたった今現場に到着したばかりのような「風神雷神」は俵屋宗達のものだったのだ。
尾形光琳にも「風神雷神図」はあるが、やはり宗達のものと比べると大人しい感じがする。

「こらゃ、同じ琳派といっても随分違うじゃないか。」と、今更ながら気づいて、帰宅してから、以前買ったままになっていた吉田良氏の『俵屋宗達』を慌てて読み始めたのだ。
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by maru33340 | 2011-02-27 22:46 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2011年 02月 26日

映画『英国王のスピーチ』を見る

アカデミー賞作品賞最有力候補の映画『英国王のスピーチ』を見る。

これはもう配役、ストーリー、音楽、映像どれをとっても非の打ち所のない素晴らしい作品だった。

幼少の頃からの迄音のため人前で話す事が出来ない王子ジョージが兄王のスキャンダルのため突然即位することになった。
スピーチ矯正のため専門家ライオネルの診療所に足を運ぶが、その治療はいかにも風変わりなものだった。
時代は第二次世界大戦前夜。
ドイツとの宣戦布告を前にイギリス国民は王の言葉を待ち望むが…

いかにもイギリスらしい渋いユーモアと王の威厳、全体を貫くヒューマニズム、新作にして既に古典の風格さえ漂う。

主演のコリン・ファースは突然の自身の即位に戸惑う王を見事に演じ、王のスピーチの指南役のジェフリー・ラッシュは堂々たる風格で映画を引き締める。

28日はいよいよアカデミー賞の発表。
果たして作品賞を授賞するのは古典的名作のこの『英国王のスピーチ』か、現代を描く『ソーシャルネットワーク』か?

楽しみになってきた。
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by maru33340 | 2011-02-26 13:17 | 映画 | Trackback | Comments(7)
2011年 02月 25日

face book といふもの

昨年正月、当時の首相鳩山さんがTwitterを始めたという記事を読み、どんなものかと始めて見たけれど、2週間もしないうちに飽きて止めてしまった。

だから、今、流行りのfacebook もやるつもりは全くなかった。

しかし僕の会社の仲間が随分登録していて、簡単だし面白いというので、後学のため、昨日外出から戻る列車の中で登録してみた。

確かに簡単だし、いくつかの基本情報を入れれば、関係者をピックアップしてくれるのは面白く、容易に知人を発見出来る。

ま、しかし、今のところはそこ止まりで、この先に何があるのかはちょっとわからない。

今はまだブログという、少し長めで、ゆるやかな反応がある気楽な仕組みが僕には良いようだ。
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by maru33340 | 2011-02-25 07:54 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)
2011年 02月 23日

桂枝雀の「業」

談志の「落語とは業の肯定である」という言葉はけだし名言である。

聞いた瞬間はっと思う所があり、やはり談志は天才だと思う。

しかしこの言葉の射程は広く、よくよく考えてみると次第にわからなくなってくる。

もしこの言葉を「弱いもの愚かなものをそのまま受け入れる事」とするならば、いささかヒユーマニズムが強くて談志らしさが薄い。
彼ならもっと黒々とした人間の暗黒面にまで触れているはず。

そんなこんなを考えながら『昭和の名人(完結編)』の桂枝雀の「親子酒」を聞いて、彼の「業」の深さを改めて思ったのであります。
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by maru33340 | 2011-02-23 22:26 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2011年 02月 21日

丸山健二の警鐘

今日は終日ベッドに座り、丸山健二の『さもなければ夕焼けがこんなに美しいはずはない』を読了した。

硬質でありながら浪漫への傾きを垣間見せる文章は僕には親しいもので、今まで何となく読むことが無かったその小説を読んでみようかと思った。

こんな率直な言葉はすっと心に染み入る。

「忘れてはならないことは五体を通して現実に触れ続ける姿勢であり、それ抜きの、横着な選択ばかりしていると、浮わついた情報や安直な知識に振り回されることになり、どうということもない現実の壁に撥ね飛ばされるようなやわな人間と化してしまう。そして、たちまち逃げ場を失い、人生に行き詰まり、覇気を紛失し、心のみのならず魂までもうなだれる羽目におちいる。」
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by maru33340 | 2011-02-21 23:17 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2011年 02月 21日

道を求める人達

少しぼんやりした頭で、丸山健二のエッセイ『さもなければ夕焼けがこんなに美しいはずはない』を読み 庄司紗矢香のレーガー・バッハの無伴奏バイオリン曲を聴きながら、「道を求める」という事の厳しさを思っている。

丸山健二では、庭と小説。
庄司紗矢香では音楽。

ジャンルは違えども志は同じようだ。


自己に厳しく、過去の自分を情け容赦なく切り捨てる事も辞さない。

探求に終わりはなく、その表情はどこか苦し気でさえある。

しかし彼らは前に進む。
なんのために。

そこに彼らが求める「道」があるからなのか。

彼らをそんなに魅力してやまね「道」とは一体何なのか。
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by maru33340 | 2011-02-21 15:28 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2011年 02月 21日

神なき時代のバッハ〜庄司紗矢香のレーガー、バッハ無伴奏曲集

扁桃腺の腫れ治まらず、声が出なくなってしまった。
(田村正和のような声は少し出る)

身体の節々が痛くだるいのは薬で熱を押さえつけているせいだろうか。

ともあれこの状態では仕事にならないので今日は休む事にした。

幸い今日は長い研修の中休みでもある。

ベッドに横になりながら、庄司紗矢香のレーガーとバッハの無伴奏曲を収めた新しいアルバムを聴いている。

しかし、これは病中の身には少しばかり厳しすぎる音楽でもあった。

バッハに大きな影響を受けたレーガーの無伴奏バイオリン曲は、神なき時代のバッハとでも言うべき、峻厳たる磐のように激しい集中力を必要とするもので、思わず襟を正す事になる。

庄司紗矢香は、まるで人間の集中力の限界に挑むような激しさで、この曲に立ち向かう。

演奏は本当に素晴らしい。教会での録音もまた美しくまるで録音された現場に自分自身がいるような錯覚に陥る。

しかし一方で、
「庄司紗矢香よ、そんなに自身を追い詰めてしまって大丈夫なのか、いつか壊れてしまいはしないか。」
とも心配にもなる。

おじさんの老婆心ならよいけれども…
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by maru33340 | 2011-02-21 13:50 | お勧めの本 | Trackback(1) | Comments(3)
2011年 02月 20日

『さもなければ夕焼けがこんなに美しいはずはない』(丸山健二著、求龍堂)

ベッドに座って丸山健二の新しいエッセイであるこの本を読んでいる。

これは作庭をめぐるエッセイでありながら、実は芸術論であり深い知恵に満ちた人生論であり、下手な要約よりも、丸山自身の言葉の引用に勝るものは有るまい。

「本物の美は必然的に進化と深化の道をたどらなくてはならず、それを可能にするには飽くなき追求と地道な努力の積み重ね以外にあり得ない。美は無限であり、底無しであって、ために、ひとたびそこに足を踏み入れ、本道を歩むことの醍醐味を味わってしまった者は、二度と抜け出せない。」
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by maru33340 | 2011-02-20 12:03 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2011年 02月 20日

BONJOUR PARIS

金曜日から扁桃腺が腫れ、今は、ベルリン・フィルの主席オーボエ奏者アルブレヒト・マイヤーのアルバム『BONJOUR PARIS』(輸入盤)を聴きながらベッドに横になっている。

これは先日、山野楽器で店内に流れていて、あまりに魅力的なオーボエの音色に誘われ、つい衝動買いしてしまったもの。

ドビュッシー、フォーレ、ラウ゛ェル、フランセ、サティなどの音楽を、マイヤーは心がとろけるような美音で聴かせる。

室内オーケストラ用に編曲されたアレンジも酒脱で、聴いていると幸福な気分に満たされる。

彼方にエッフェル塔が見え、手前にマイヤーが佇むジャケットも、まるでフランス映画のワンシーンを見ているようで楽しい。

これから繰り返し聴くアルバムになりそうです。
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by maru33340 | 2011-02-20 10:04 | お勧めの本 | Trackback(1) | Comments(2)