新・クラシック音楽と本さえあれば

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2012年 03月 31日

春の嵐と『作家の旅』

今日は、朝から風が吹き荒れる春の嵐となった。

自転車置き場の自転車が、軒並みなぎ倒されている。

早めに買い物を済ませて、先日八重洲地下の女性スタッフだけの古本屋で買った『作家の旅』(平凡社コロナブックス)を、部屋で眺めている。

ラフカディオ・ハーン、寺山修司、山口瞳、須賀敦子、吉田健一ら作家16人の旅の記録を、写真と文章で紹介している贅沢な一冊。

寺山修司のこんな言葉が胸に滲みる。

「漂白とはたどりつかぬことである。
たとえ、それがどこであろうとも、われわれに夢があるあいだは「たどりつく」ことなどはないだろう。」

戸外ではまだ風が吹き荒ぶ音がしている。
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by maru33340 | 2012-03-31 14:18 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2012年 03月 30日

30年という歳月

今月末で社会人になり、ちょうど30年の節目を迎える。

入社した当時は、営業という仕事がなんとも性にあわず、退社するのは時間の問題と自他共に許されていた。

ほとんど成長する事もないまま、気がつけば間もなく齢53歳にならんとす。

「ああ、お前は何をしてきたのだと、年増女の声がする」

と中原中也なら歌う所だ。

来週からは新年度。

新入社員研修のため、3週間研修施設に缶詰めになる。

この機会に自分の越し方、行く末を見つめてみようか。
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by maru33340 | 2012-03-30 07:51 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)
2012年 03月 28日

一人『酒場放浪記』(日本橋編)

今日は、夕方日本橋で仕事。

直退となり、丸善に立ち寄った後、ふらりと「日本橋 お多幸」に。

ビールで喉を潤し、螢烏賊をつまみに、秋田の日本酒「初孫 魔斬」を楽しむ。

その後は、だしの染みたおでんをつまみに「酔鯨」を飲み、締めは名物「豆腐めし」(絶品!)。

いやあ旨かった。

ではまだ早いので、もう一軒。
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by maru33340 | 2012-03-28 20:42 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)
2012年 03月 26日

『黒澤明という時代』(小林信彦著、文春文庫)読了

何年か前、黒澤明の映画に凝り、毎週のようにその作品を見た。

特に衝撃を受けたのは『野良犬』(1949年)。
この映画での三船敏郎のギラギラした眼には圧倒された。
闇市を徘徊するシーンのモダニズムも凄い。

『用心棒』(1961年)の浮世絵のようなデフォルメされた冒頭のシーンも凄かった。

次はやはり『七人の侍』(1954年)。
これはキャラクター、ストーリー、カメラどれをとっても完璧な映画だと思う。

そして『天国と地獄』(1963年)。
前半の緊密な室内劇と、後半の動的なシーンのコントラスト。
富める者と貧しい者の見る世界のギャップが事件を産む明確なストーリー。
最後まで全く目が離せない。

これだけの傑作があるのだから何も言うことはないはずだが、晩年の1965年から1993年まで、残念ながら上記の作品を超える事が出来なかった所に、悲劇的な印象が否めないのも確か。

若くして数々の傑作を撮り、「世界の黒澤」と言われながらも、自身の作品を超えられずもがいていたであろう黒澤明は、物語の主人公としては魅力的だけれど、本人はさぞシンドカッタだろうなあ…
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by maru33340 | 2012-03-26 23:16 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2012年 03月 25日

森鴎外と北千住

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昨夜は北千住まで「江戸しぐさと落語の会」という催しを聞きにいった。

落語は三遊亭竜楽という噺家の「天災」。

この人は少し変わった経歴の人で、中央大学法学部を出て社会人経験をした後に先代円楽に入門した。
数年前から6カ国語で世界中で落語を演じているという。
昭和33年生まれだから、僕とほぼ同い年。

三遊亭の落語を聞く機会は滅多にないけれど、声も良く、押し出しも強くて、なかなかの噺家では、と感じた。

催しの前に、北千住駅前をぶらりと散策したら、森鴎外が医者として父親と診察を行なっていた「橘井堂(きっせいどう)医院」跡を発見した。(写真)

なんでも「鴎外」という雅号は、隅田川の白髭橋にあった「鴎の渡しの外」という意味で、千住の地名を表していたらしい。

やはり、東京には、随所に江戸や明治の名残があり、散歩好きにはたまらぬ場所ですな。
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by maru33340 | 2012-03-25 16:17 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2012年 03月 22日

春のきざしの中聴くマーラー

まだ風は冷たいけれど、南の国から桜の便りが届き、日差しにも一日一日春のきざしが感じられる。

こんな季節はやはりマーラーだ。

今日は、青春の息吹きに満ちた交響曲一番を、今なおみずみずしいブルーノ・ワルターの演奏で聴いている。

長かった冬を越えて、春を迎える祝祭的な悦びに満ちたこの曲を久しぶりに聴き、初めてこの曲を聴いた時の驚きと感動を思い出した。
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by maru33340 | 2012-03-22 07:59 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)
2012年 03月 21日

日本橋「たいめいけん」のこと

今日は、午前中日本橋で仕事。

ちょうどお昼前に終わったので、前から一度行きたいと思っていた老舗「たいめいけん」に寄ってみた。

有名店だけあり、まだ11時半前なのに行列が出来ている。

行列に待つこと15分。

店内に入り、スタンダードのオムレツを待つこと15分。

味は・・・

確かに卵はふわふわ、ケチャップも素朴、中味はハム。

懐かしい美味しさである。

いわば普通のオムライスだけれど、付加価値分美味しさが増すようだ。

十分、満足した。

ただ、残念ながら客層がいけなかった。

4人組のギャル風女子が大騒ぎしているのには閉口した。

こればかりは仕方ないけれど、残念。

一度行ってみる価値はあるけれど、また並ぶかというと・・・
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by maru33340 | 2012-03-21 18:49 | お勧めの本 | Trackback | Comments(6)
2012年 03月 20日

どこまでも澄んだ湖のようなマーラー

春の予感に誘われるようにして、久しぶりにデイヴィッド・ジンマンのマーラーを聴き直した。

交響曲三番。

ジンマンのマーラーは、曲に没頭することなく、音色はどこまでも透明な湖のように澄んでいて、まるで水墨画を見るように静かで美しい。

最近ブルックナーにはまり続けてきたけれど、またマーラー熱が復活しそうな気配を感じます。
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by maru33340 | 2012-03-20 22:38 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)
2012年 03月 18日

『時をこえる仏像』(飯泉太子宗著、ちくまプリマー新書)

仏像修復師という仕事がある。

しかし、この本を読むまでは実際にどのような仕事をしているのか知らなかった。

興味深かったのは「修理」と「修復」は違うということ。

「修理」が出来るだけ新品に近づける事を目的にしているのに対して、「修復」とは、壊れた仏像の機能を取り戻す以外に、もともとの制作者やデザイナーの意志をくみとり、それが損なわれない形で復元することを目指している。

それだけに「修復」には依頼者の意志や、修復家のセンスが問われてくるのだ。

なかなかに奥深い世界の入り口を垣間見せてくれる、興味深い本でした。
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by maru33340 | 2012-03-18 15:07 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2012年 03月 18日

豊穣なる物語に酔う、高樹のぶ子の『マルセル』(毎日新聞社刊)

1968年、三億円事件が起きた年、展覧会のため日本に来ていたロートレックの名作「マルセル」が、何者かによって盗難された。
作品は後に新聞社に届けられたが、現在にいたるまで、事件は未解決である…

この実在の事件を素材にして、作者は壮大な物語を構想した。

京都、東京の団子坂、パリを舞台に、43年前と現在が呼応しながら、謎は螺旋状に解き明かされて行く。
恋愛、ミステリー、絵画取引の闇の部分など、複数の要素が渾然一体となり、その展開から眼を離す事は出来ない。

この作品は、毎日新聞に、昨年の1月1日から12月31日に掲載された。

連載当初は想定されていなかった3月11日の大震災が物語に影響を与えて行く過程も、この物語に非常に深みを与えている。

久しぶりに、物語の構えが大きい、読み応え十分な大河ドラマを堪能しました。
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by maru33340 | 2012-03-18 07:57 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)