新・クラシック音楽と本さえあれば

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2012年 07月 30日

シューマンのピアノ・ソナタの抗し難い魅力

シューマンのピアノ・ソナタは、構成こそ古典的なソナタ形式を取っているけれど、その内容は一筋縄ではいかない。

何より長いし、途中で自分が何処に向かって進んでいるのかを見失う箇所がいくつもある。

一直線には進まず、いたるところにほの暗い路地があり、気がつけばそこにさまよいこんでいるかのような気分になる。

なんとも困ったソナタである。

しかし、不思議なことに、一度好きになってしまうと、ちょっと抜け出すことが出来ないような魅力に満ちていて離れがたいことになる。

形式を内側から突き崩すような、その過剰なまでのロマンティシズムが僕を捕らえてやまない。

今は小林五月のうねるような演奏を繰り返し聴いている。
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by maru33340 | 2012-07-30 23:27 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2012年 07月 30日

片岡義男の『洋食屋から歩いて5分』(東京書籍)を愉しむ

片岡義男の文章を読んでいると「清潔」という言葉を思い出す。

洗い立ての白いシャツのように、余計なものはなく、すっきりとした印象が、彼の文章にはある。

この新しい『洋食屋から歩いて5分』というエッセイも、その例外ではない。

食べ物を巡るエッセイだけれど、片岡義男のことだから、もちろん「どこの何が旨い」というような話は出てこない。

主として、「食べ物・食べることを巡る記憶の物語」といった風情で、さらさらと気持ち良く読めて、このひどく暑い季節には最高の読書経験となる。

中に、ある女性と会うために、下北沢から十条まで電車に乗って向かうというエッセイがあり、これは僕の行動範囲に近くて、とても興味深く読んだ。

田中小実昌さんと新宿ゴールデン街を朝まで飲み歩くエッセイも(これは少し長編)楽しい。

良い本です。
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by maru33340 | 2012-07-30 08:20 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2012年 07月 29日

バーンスタインのマーラーにマニエリスムを感じて

バーンスタインの演奏するマーラー交響曲6番を聴きながら、突然マニエリスムという概念を思い出した。

誇張と歪みの芸術であるマニエリスムという言葉は、この気分が激しく変転する交響曲を一言で現しているようだ。

若きバーンスタインの演奏もまた、荒々しくどこか法を越えたもので、この曲を生々しく再現している。
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by maru33340 | 2012-07-29 11:12 | お勧めの本 | Trackback(1) | Comments(2)
2012年 07月 28日

物語を読み聞かせるようなシューマン

今日は渋谷まで映画に行く予定だったけれど、高温注意警報という聞いたこともない警報に負けて自宅で音楽を聴きながら読書。

午前中はアンジェラ・ヒューイットの平均律を聴く。
明るく独特のリズム感が心地よい。

ようやく少し涼しくなった夕方、荒川土手を自転車で走り隅田川花火大会を眺める。

今は友人から借りた小林五月のシューマンのピアノソナタを聴いている。

どこに向かっているかわからない迷宮(そこがたまらぬ魅力だけど)のようなシューマンのピアノソナタを、この人は、まるで物語を語るように演奏する。

とても魅力的な演奏だ。

かくして、白昼夢のような一日は暮れゆく。
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by maru33340 | 2012-07-28 23:44 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2012年 07月 27日

モノクロ写真の楽しみ

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最近の携帯は簡単に写真が撮れて、いろんな効果の機能もあり楽しい。

この所はまっているのは、普段の通勤風景をモノクロ写真で撮ること。

普段見慣れた風景も、モノクロの世界になるとなんだかノスタルジックな昭和30年代の世界に早代わりする。

ピカピカのブランドビルもまた、記憶の中の廃墟のように見えるから不思議だ。

フェースブックならあまり気負うこともなく、タイトルだけつけて投稿できるから楽だし、すぐに反応があると少し嬉しかったり・・・

これはしばらくはまりそうです。
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by maru33340 | 2012-07-27 18:46 | お勧めの本 | Trackback | Comments(6)
2012年 07月 24日

『図書館戦争』(有川浩著、角川文庫)シリーズが面白い

ずっと気になっていながら読まずにいた『図書館戦争』シリーズ。

先日会社の同僚と飲む機会があり「絶対面白いので、是非読んで下さい。」と薦められ、そんなに言うならと試しに1巻を読み始めた。

設定は一見アニメの近未来戦争風で、最初はそれに馴染むまで少しだけ時間がかかったけれど、キャラクターの位置づけがわかってからは、すっかりはまってしまった。

読みかけの本は横に置いておいて、一気に読み続けて現在2巻目を読了。

何より主人公の笠原郁という真っ直ぐ過ぎるほど真っ直ぐな人物が実に魅力的だし、彼女の上官、同期、同僚それぞれ一筋縄ではいかない人物との対比も面白い。

「図書館」と「戦争」というおおよそそぐわないテーマを融合させ、情報社会の怖さを構築した作者の力量にも舌を巻く。

本編は全4冊。スピンオフが更に2冊。

早く読み続けたいような、読み終わるのが惜しいような、久しぶりにそんな読書体験をしています。
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by maru33340 | 2012-07-24 18:17 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2012年 07月 21日

内田樹の伊丹十三論

世の中で起こる様々な出来事について考えるためのヒントが欲しいと思った時は、まず内田樹のブログを探してみる。

するとそこには、平易な言葉で、「誰も言わない本当の事」が鮮やかな文章で書かれている。

沖縄問題について、いじめの問題について、新聞や本を読んでも腑に落ちなかったことが、内田さんの手にかかると本当に鮮やかに解き明かされる。

この人の頭の中は一体どうなっているのかと覗き込みたくなるほど。

最近読んだ「伊丹十三と「戦後精神」」という記事も、誠に鮮やかに、おそらく今まで誰も言わなかった伊丹十三の本質的な考えを明らかにしている。

内田さんは、伊丹十三を、吉本隆明、江藤淳と並べて論じ、伊丹十三が生涯を通じてやりたかったことは「日本をまともな国にする」ことであったと論じる。

(何故そのような結論に達するのかということを書き始めると大変長くなってしまうので、下記アドレスから原文を参照下さい。ただしとても長いです。)

この記事の最後に内田さんは、こう書いています。

「村上春樹が『1Q84』で書いていることと、伊丹十三が『ヨーロッパ退屈日記』で書いていることは、実は、本質的には同じことじゃないかという気がするんです。
人間が住んでいる人間的な世界を人間が守るためには、誰かが境界線に立って、侵入してくるものを押しとどめなければいけない。
その仕事は「私がやります」と言って立ち上がる人間にしかできない。
誰も求めないし、誰も命じない、誰も理解しないし、誰も感謝しない。
それでもいいと思った人が引き受けるしかない。
伊丹十三は、そうした仕事を引き受けた稀有な人のひとりではないかと思います。」

ここには、全く知らなかった伊丹十三の姿があるようだ。

早速、『ヨーロッパ退屈日記』を買い求めなくては。

原文はココから(長いです)⇒http://blog.tatsuru.com/2012/07/12_1036.php
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by maru33340 | 2012-07-21 00:13 | お勧めの本 | Trackback | Comments(5)
2012年 07月 20日

泣き顔パンダ

最近の若い女性のメークの主流は、西野カナのような、アイライン黒々、長いつけまつげで、たれ目。
まるでパンダが泣いたようなメークの人が多い。
可愛いと言うべきか、幼いと言うべきか、まあ、安心感のようなものはあるけど…

メークの流行りは時代を映す鏡のようなものだけれど、この「泣き顔パンダメーク」は、一体どんな時代を象徴しているのだろう。
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by maru33340 | 2012-07-20 07:36 | お勧めの本 | Trackback | Comments(1)
2012年 07月 19日

人事は何のためにあるのか 『戦略人事のビジョン〜制度で縛るなストーリーを語れ〜』を読む

僕は、サラリーマンでありながら、恥ずかしながら滅多にビジネス書というものを読まない。

読まないというより、読めない。

ほとんど理解が不可能だし、そこから何かを学ぶ能力が僕には欠落しているのかも知れない。
(これでよく30年も勤め人をやってきたとも思う。)

最近、おそらくこのままサラリーマン人生の中でビジネス書を読むことはないかも知れないなあ、などとも思っていた。

ところが、最近偶然読んでしまった『戦略人事のビジョン〜制度で縛るなストーリーを語れ〜』(八木洋介、金井壽宏著、光文社新書)で語られている言葉は、ストンと胸に落ちた。

例えば人事の役割を語るこんな文章。

「社員の頭の中に霧がかかっていれば、霧を晴らす手伝いをする。
社員の心の中で火が消えかけているのであれば熱く語って火つけ役になる。
場合によっては、社員の心の中に手を突っ込んでグルグル引っかき回す。
そうやって、社員のやる気を高めるために人事の仕事はあるのだと確信しています。
なぜなら、人間ほど生産性が飛躍的に向上する経営資源はないからです。
機械の性能を上げようといくら改良を加えても、生産性が一気に五倍も十倍も向上することはありません。
けれども人間は違います。
言葉をかけ、ハートに訴えれば、多くの人はやる気を出してくれます。
そして、人間がやる気を出せば、その生産性は五倍にも十倍にも跳ね上がります。
逆に人がやる気をなくせば、その生産性はゼロにまで落ちることもあります。」

一つ一つの言葉が僕には納得出来る。

当たり前といえばこれほど当たり前の言葉もないけれど。

しかし、少なくとも今まで僕が読んだビジネス書にはこんな言葉はなかった。

人事の仕事も捨てたもんじゃないか、と今更ながら思ってしまった。
(ちょっと気づくのが遅かったかなあ・・・)
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by maru33340 | 2012-07-19 17:56 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2012年 07月 16日

小栗旬の「逸脱」

ドラマ「リッチマン プアウーマン」の小栗旬の演技が良い。

IT企業の若き創業者という冗談にしかならないような役を、どこか狂気を秘めた、世界から逸脱したような、野心的で繊細な表情で演じている。

今のところいかにも常識的な大人の男を演じているARATA が、いつ隠された顔を表面化するかも楽しみだ。

こんなドラマを待っていた。
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by maru33340 | 2012-07-16 23:42 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)