新・クラシック音楽と本さえあれば

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2017年 10月 31日

雲間に見える青空

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朝起きた時、空は一面白とグレーの雲に覆われていたけれど、次第に雲間に青空が見えてきた。

『雲のカタログ』によるとこれは「積層雲」の中の「隙間雲」と呼ばれるなかなかレアな種類の雲のよう。

昨日は各地で木枯らしも吹いたようで、今朝は愛野もグッと冷え込んでいる。

もう冬も近い。
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by maru33340 | 2017-10-31 07:25 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)
2017年 10月 29日

台風と無伴奏

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週末毎に台風が来る。
今朝も窓を叩く風の音が聞こえ冷たい雨も降っている。

台風の音を聞いていると何故か宮沢賢治の童話『セロひきのゴーシュ』のことを思いだす。
風のゴウゴウ鳴る音が、下手なチェロ弾きのゴーシュが鳴らすゴウゴウという音を思い出させるからだろうか。

そんなことを思っていたらバッハの無伴奏チェロ組曲を聴きたくなり、フランスの往年のチェリストのポール・トゥルトゥリエ(もちろん彼は下手なチェリストじゃないけど)による演奏を棚から探しだし聴き始めた。

今日は音楽を聴きながら部屋で読書三昧の一日になりそうです。
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by maru33340 | 2017-10-29 05:57 | お勧めの本 | Trackback | Comments(5)
2017年 10月 28日

漫画で内田百閒に再会する

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昨日出張帰りに本屋に立ち寄り偶然稀代の文章家の内田百閒を主人公にした『ヒャッケンマワリ』(白水社)という漫画を見つける。
作者の竹田昼という人は未知だし何より百閒の随筆が漫画になるのかといぶかりながらも何となく気になり入手し、帰路の新幹線の中で読み始め昨晩一気に読了。

これはとても良い本でした。

万事へそ曲がりで、文化勲章も「イヤだからイヤだ」という理由で辞退するような百閒は一方で友情に厚く教え子にも慕われた。
そんな百閒の随筆をベースに同時代の夏目漱石や芥川龍之介、宮城道夫らとの交流や日常を淡々と描いた漫画には巧まざるユーモアとペーソスが溢れる。

久しぶりに百閒の随筆を読み返したくなりました。
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by maru33340 | 2017-10-28 07:23 | お勧めの本 | Trackback | Comments(5)
2017年 10月 26日

こんな季節には

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季節は24節気の「霜降(そうこう)」。

朝晩ぐっと冷え込み、釣瓶落としに夕陽が落ちるこの季節は少しメランコリックな気分になりがち。

この時期に聴きたくなるのは、グレン・グールドの演奏するイギリスのビクトリア王朝時代の作曲家ウィリアム・バードとオーランド・ギボンズの作品を収めたアルバム。

典雅でありながら少し哀感に染められたその音楽を、弱まり始めた朝陽が射し込む部屋で小さな音で聴いていると、心がしんと鎮まってくるよう。
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by maru33340 | 2017-10-26 08:28 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2017年 10月 22日

Return to Bach

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台風接近に伴う激しい暴風雨がマンションの窓を揺らす轟音を聞きながら選挙速報と村田諒太のボクシングを交互に見る。

村田の勝利と今回の選挙の大勢が決したのを確かめてからテレビのチャンネルをEテレに変え「鈴木雅明のドイツ・オルガン紀行」を見る。

鈴木雅明の「マタイ受難曲」の演奏はステージで聴いて大きな感銘を受けたし、彼はまた優れたオルガン奏者であることは知ってはいたけれど、そのオルガン演奏は圧倒的に素晴らしいものだった。

ドイツの教会の建物の中でその音楽を聴いたら、おそらく雷に撃たれたように身体中が震えるような感動を覚えただろう。

 番組の最後に演奏された「前奏曲とフーガ ホ短調 BWV548」を(窓外で吹きすさぶ嵐に負けないよう大音量で)聴きながら、この音楽の前では人という存在は、なんとちっぽけなものだろうと思った。
 
しばらくバッハの音楽をおやすみしていたけれど、またその音楽を聴かなくては。
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by maru33340 | 2017-10-22 23:30 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)
2017年 10月 20日

坂口安吾と再会する

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坂口安吾の原作による近藤ようこの漫画作品が岩波現代文庫から二冊同時に刊行されたので入手し、昨夜一気に読了。

とても面白かった。

『夜長姫と耳男』、『桜の森の満開の下』、どちらも残酷でいながら(それ故に)美しい物語。

読み終えて、ひんやりと静かな哀しみが、桜の花弁のように心の中に降り積もるような心持ちになる。
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by maru33340 | 2017-10-20 07:38 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)
2017年 10月 18日

そうだ、抒情小曲集を聴こう

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学生時代にM君という友人がいた。

とにかく渋好みで、小津安二郎の映画や堀辰雄の小説、円空仏を愛し、休日は奈良や伊豆修善寺を散策したり歌舞伎や能を観に行くという。
(そういうと何だか一時代前の繊細な文学青年のようだけど、本人はとてもマイペースでワガママな男で、僕らは秘かに彼の事を「エゴの木」と呼んでいた)

そんな彼が「是非聴くように」と強く推奨していたのがエミール・ギレリスの弾くグリーグの「抒情小曲集」というピアノ曲のアルバムで、先日CDを整理していて見つけて食事の後片付けをしながら久しぶりに聴き始めた。

これは確かに繊細な美しいアルバムで、深夜小さな音で聴いていると北欧のひんやりとした空気と清冽な水を想い出す。
(行ったことないけど…)

これからの季節に聴くのにふさわしいアルバムです。
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by maru33340 | 2017-10-18 20:39 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)
2017年 10月 16日

冷たい雨とリュートの音楽と

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寒い朝。

今週はしばらく雨で気温の低い日が続くよう。

少し静かな音楽を聴きたくなり、バッハと同時代にドレスデンで宮廷付きリュート奏者・作曲家として活躍したレオポルド・ヴァイス(1686-1750)の作品を聴き始めた。

初めて聴く作品なのにどこか懐かしさを感じさせるヴァイスの作品の持つメランコリーな旋律を、スペインのリュート奏者ホセ・ミゲル・モレーノが静かに語りかけるように演奏していて、まるで柔らかな雨のように心に染みいってくる。
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by maru33340 | 2017-10-16 07:55 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)
2017年 10月 08日

岡田茉莉子と伊藤野枝と

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友人の薦めで女優岡田茉莉子の自伝『女優 岡田茉莉子』を読み、彼女が大変な文章家だと知る。
その女優としてのプライド、気性の激しさは潔い程だ。

そんな彼女が夫である映画監督吉田喜重の作品『エロス+虐殺』について語るのを読みながら、この作品のモデルである大正時代のアナキスト伊藤野枝という人物に興味を持ち、昨年発売され話題になった栗原康の『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』を読む。

栗原康の独特の文章は好き嫌いが分かれるかも知れないけれど、僕はその文体のリズムが気に入り一晩で一気に読了した。

伊藤野枝は大正12年関東大震災の直後に大杉栄と共に甘粕正彦率いる憲兵隊に拘束され虐殺された。
その時彼女は28歳。

わがままに、自らの信じるままに誰にもその心を支配されることなく生きたその人生もまた激しく潔く心打たれるものがあった。

吉田喜重は岡田茉莉子と伊藤野枝の二人の女性に相い通じるものがあることを見抜いていたのだろう。
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by maru33340 | 2017-10-08 21:06 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)
2017年 10月 05日

透明感と哀しみと

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ルクセンブルク生まれのフランチェスコ・トリスターノというピアニストが気に入っている、

彼のレパートリーは独特で、バッハからジョン・ケージ等の現代音楽と共に、彼自身の作曲によるダンスミュージックも演奏する。
その音楽は切れ味鋭く透明感があり美しい。

そんな彼の新しいアルバム「PIANO CIRCLE SONGS」はトリスターノ自身の作曲によるオリジナル曲を集めたアルバムだけれど、今までのダンスミュージックとは違い、とても静かで瞑想的な美しさと哀しみに満ちていて、集中して聴いても本を読みながらBGMとして聴いても(録音の良さもあり)まるで澄んだ清冽な水を飲みほすような心地よい味わいがある。

新たな愛聴盤になりました。
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by maru33340 | 2017-10-05 21:43 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)