新・クラシック音楽と本さえあれば

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2017年 08月 07日

立秋の朝のブラームス

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今日は立秋。

最近朝早く控えめに鳴き始めていたひぐらしの鳴き声が、ようやく自分たちの季節が来たと知っているかのように今日は一段と大きく窓外のあちこちから折り重なるように聴こえる。
アブラゼミも負けじと鳴き始めるけれど気のせいか少しその声にも力がないよう。
ベランダに出れば遠い台風の影響か肌寒いほどの風が強く吹いている。

立秋にふさわしい音楽をと久しぶりにグレン・グールドの弾くブラームスの「間奏曲集」を聴き始める。
ここでのグールドは人に聞かせるというよりまるで瞑想するかのように自己の世界に深く耽溺していく。
その音楽はひぐらしの哀切な鳴き声と響き会うようだ。

日中はまだまだ酷暑が続くけれどもう秋はすぐ隣まで来ているのだ。
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# by maru33340 | 2017-08-07 05:15 | お勧めの本 | Trackback | Comments(5)
2017年 08月 06日

ストレス解消のために

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この所仕事で長距離の移動が続いたり、人間関係のもつれがあったりで(夏バテも重なり)へたり気味。

そこでストレス解消法のあれこれを考えてみました。

◎自然に触れ世界の大きさに目を向けて人間界の小ささを知る
(雲を眺めるのは簡単に出来る方法で良し)

◎バッハの「平均率」を聴き心を整える
(ラヴェルの管弦楽曲を大音量で聴くのも良し)

◎美味しいものを食べる
(鰻や肉は即効性ありそう。ただし胃腸が弱っている時は雑炊など暖かく優しい食べ物を)

◎涼しい部屋で昼寝をする

◎明るいうちから湯船にお湯を張りゆっくり風呂に入る

◎良いドラマや映画を観て涙を流す

今日はこれ1日で全部やって少しずつ気分が晴れてきました。

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# by maru33340 | 2017-08-06 06:21 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)
2017年 08月 04日

ひぐらしの鳴く声を聴きながら

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今朝も5時前ひぐらしの鳴く声で目が覚める。
風は少し肌寒いほど。
窓外の朝日はまるで夕陽のように燃えている。

横になったまま文庫になったばかりの沢木耕太郎の『波の音が消えるまで』を読み始める。
サーフィンとバカラを巡る青春物語でいずれも僕には遠い世界だけれど、同じ著者の『春に散る』で今まで無縁だったボクシング(を見ること)の面白さに目覚めたように、その巧みな語り口に導かれ物語の世界に引き込まれていくよう。
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# by maru33340 | 2017-08-04 05:44 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)
2017年 08月 02日

音と記憶の物語

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出張先の琴平のホテルで吉田篤弘さんの小説『遠くの街に 犬の吠える』を読了。

音を巡る清冽な物語はこの著者らしい詩情に満ちていて、読んでいてとても清々しい気持ちになる。
小さくてはかないもの、微かな記憶、耳には聴こえない音たちをそっと掬いとるような繊細な文章が静かに心に沁みる。

この作者の小説では『つむじ風食堂の夜』が一番好きだけれど、その系譜に繋がる寓話的な世界と少し浮世離れした登場人物たちが愛おしい。
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# by maru33340 | 2017-08-02 05:53 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)
2017年 07月 31日

永遠の光を探しに

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今日は東京出張。
会議は午後からなので朝一番で先日行きそびれた学習院大学史料館で開催中の展示「永遠の光(アルカディア) -辻邦生『夏の砦』を書いた頃-」を見に目白に向かう。

初めて訪れる史料館は、大学のキャンパスの片隅にひっそりと樹々の中に埋もれ時間から取り残されたような風情で佇んでいた。
(少し学園祭のサークル発表のような)展示は素朴な味わいが好ましく、辻の手書きの原稿や書簡が小さなスペースに所狭しと並ぶ。

一昨日が命日だった辻邦生は「私は四季それぞれが好きだが、特に好きなのは夏で、青空に盛り上がる眩しい積乱雲、海から吹く風、打ち寄せる白波、森の中の読書、青い山脈の連なりなどを思い描くだけで胸が踊る」と書いている程夏という季節を愛した作家だった。

この展示を、彼が愛した季節に、彼が教鞭を取っていた場所で見るのはどこか胸の奥がざわめくような思いがした。
(配布されているパンフレットが無料でもらえるものとしては驚く程丁寧で行き届いた素晴らしいものだったことを書き添えておきます)
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# by maru33340 | 2017-07-31 18:54 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)
2017年 07月 30日

秋きぬと…

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午前五時、ひぐらしの鳴く声で目が覚める。
その声も止み、間もなくミンミン蝉が鳴き始める時間だけれど、ほんの少しの間あたりが静寂に支配される時間がある。

一瞬「永遠」という言葉が浮かぶ。
やがて鳥の鳴き交わす小さな声で静寂は破られハッと意識が現実に戻される。

間もなく八月。
立秋を過ぎれば季節はもう秋。
ひぐらしの鳴き声は、まだまだ日中は厳しい暑さが続くけれど、そのさなかにも秋を迎える準備が進められていることに気づかせてくれる。

この季節にはフォーレの歌曲(エリー・アメリンクとジェラルド・スゼーによるもの)がふさわしいよう。

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# by maru33340 | 2017-07-30 05:22 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2017年 07月 29日

「動的平衡」とはなんぞや?

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前回のブログに書いた「これからがこれまでを決める」という考え方は、ちょうど読みかけて挫折していた福岡伸一博士の本『動的平衡』の中にも出ていたことを思い出し、何とかその本を読了した。

超文系人間の僕には正直わからない事も多々あるけれど、ここには今まで僕が思っていた生命観とはまるで違う考え方が展開されていることだけは感じ取れた。

「生体を構成している分子は、すべて高速で分解され、食物として摂取した分子と置き換えられている。身体のあらゆる組織や細胞の中身はこうして常に作り変えられ、更新され続けているのである。
だから私たちの身体は分子的な実体としては、数ヵ月前の自分とはまったく別物になっている。分子は環境からやってきて、いっとき、淀みとしての私たちを作り出し、次の瞬間にはまた環境へと解き放たれていく」

つまりは分子の流れ自体が「生きている」ということであり、この事を福岡博士は「動的平衡」と呼ぶ訳だけれど、正直こうして引用していてもまだまだ釈然とはしない。

しかしここには「何か大切なものがある」事だけは直感として感じ取れるから、次は西田哲学と生命をめぐる対談『福岡伸一、西田哲学を読む』を読んでみよう。
(益々混乱を深めるだけかも知れないけれど…)
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# by maru33340 | 2017-07-29 16:39 | お勧めの本 | Trackback | Comments(5)
2017年 07月 27日

「これから」が「これまで」を決める?

理論物理学者の佐治晴夫氏のインタビューを何気なく読んでいてこんな言葉に出会った。

「自分の体を構成している60兆の細胞のうち、約1%、つまり6千億が一晩のうちに入れ替わるそうです。昨日と同じ自分はもうどこにもいないし、数ヶ月後には別人と言ってもいいでしょう。そう考えると、人は何回でも生まれ変われる。
よく、「過去・現在・未来」といいますね。この時間の流れから考えると、「これまで」が「これから」を決めると思うかもしれません。でも、いまみなさんが思い浮かべている過去は、脳の中にメモリとして残っているものに過ぎず、実在しているものではありません。とすると、これからどのように生きるかによって、過去の価値は、新しく塗り替えられることになります。未来が過去を決める、「これから」が「これまで」を決めるのです」

最後の「これからがこれまでを決める」という言葉はつい最近会社の研修で出会い気になっていた言葉だったのでそのシンクロニシティに少し驚いた。

「過去は未来によって新しく塗り替える事が出来る」という考え方は、ともすれば過去を振り返り反省しがちな僕には新鮮な考え方で、少し心に光が射し込んで来るように感じます。
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# by maru33340 | 2017-07-27 06:30 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)
2017年 07月 26日

いにしえの王女のために

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昨日今日は蒸し暑いけれど陽射しは少し雲に遮られ、ジリジリするような暑さからは少し解放された。
あまり暑いと蝉も鳴かないようだけれど今朝はあちらこちらから鳴き声が聞こえてくる。
少しでも爽やかな朝になればとサンソン・フランソワのピアノによるラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」を聴く。
ベラスケスの描いたマルガリータ王女の肖像画からインスピレーションを得て作曲されたとも言われているこの曲をフランソワは詩情豊かに弾いている。
彼独特のテンポの揺れはラヴェルの音楽にふさわしく、いにしえの王宮の王女に思いをはせ一時暑さを忘れる。
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# by maru33340 | 2017-07-26 05:49 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(4)
2017年 07月 24日

夏の朝のブラームス

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曇天の掛川を出発し出張のため東京に向かう。
昨夜友人からきた「夏の夜にブラームスを聴いています」というメールを思い出し、フランスの往年の名ヴァイオリニスト、ミッシェル・オークレールによるブラームスのヴァイオリン協奏曲(1958年録音)を聴き始める。
厳し過ぎずしかし甘すぎないその音色から、ブラームスがこの曲に秘めた詩情と香気があたりに花びらが散るようにこぼれ落ちるよう。
しかしベルイマンの映画のワンシーンのような彼女のジャケットの表情から、将来を嘱望されながら左手の故障により30代の若さで第一線から退かざるを得なくなった哀しみのようなものを感じるのは少し感傷的に過ぎるだろうか。
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# by maru33340 | 2017-07-24 08:12 | お勧めの本 | Trackback | Comments(5)