新・クラシック音楽と本さえあれば

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2017年 11月 11日

21世紀のための黙示録

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昨夜、NHKの番組「SONGS」で井上陽水と玉置浩二の特集が流れていて、井上陽水の歌う「最後のニュース」の歌詞に戦慄を受けた。

闇に沈む月の裏をあばき
青い砂や石をどこへ運び去ったの
忘れられぬ人が銃で撃たれ倒れ
みんな泣いた後で誰を忘れ去ったの

歌詞はこんな風に始まり(1989年にリリースされたのに)まるで21世紀の今を予言するような黙示録的な内容が続き、陽水の天才をひしひしと感じ少し恐ろしくなる。

番組の最後には、井上陽水と玉置浩二によるデュエットの名曲「夏の終わりのハーモニー」が流れ少し息をついた。

31年振りの共演だという。

井上陽水69歳、玉置浩二59歳。
二人とも良い歳の重ねかたをしてます。
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# by maru33340 | 2017-11-11 07:00 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)
2017年 11月 08日

晩秋のピアノソロ

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晩秋から冬に向かうこの季節にはやはりJAZZが良く似合う。

昨夜は会社の懇親会で酔って家に戻り眠るまでの間少し音楽が聴きたくなり、キース・ジャレットの古典的名盤「ケルン・コンサート」を選んだ。

最初の5音でその世界に引き込まれ、自分が残響の良いホールの座席に固唾を飲んで座っているような気がする。

このピアノソロアルバムは、内省的でありながら聴衆を置いてきぼりにしない社交性もあり、その危ういバランスと即興性が魅力的なのだ。
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# by maru33340 | 2017-11-08 08:05 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)
2017年 11月 03日

「降っても晴れても」

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今年ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの本は、昔何冊か読んだ記憶があるけれど本の内容は遥か忘却の彼方にあった。

先日知人のブログで、そのカズオ・イシグロの短編集『夜想曲集』の中の「降っても晴れても」を読んで爆笑したと書いてあるのを読み「果たしてカズオ・イシグロは爆笑するような小説家だったっけ」と思い文庫(「ノーベル文学賞受賞」と大きく書いた帯付きで、本屋の平台に山積みされていてちょっと買うのを躊躇ったけど)を入手し読み始めた。

さすがに爆笑こそしなかったけれどとても面白かった。

冴えない中年男の英語教師レイモンドが、久しぶりに訪れた友人夫婦(二人の間には不穏な空気が漂う)の夫から、離れ始めた妻の心を引き戻すために引き立て役になってくれと頼まれる。
人の良いレイモンドは使命を全うするためにあんなこともこんなこともやってしまうのだが…

このちょっと苦いユーモアとドタバタ劇の冴えない主人公は、是非映画でウッディ・アレンに演じてもらいたかった所。
そうすれば音楽による微かな救いが訪れるラストシーンとタイトルの「降っても晴れても」の意味がグッと胸に迫っただろうなあ。
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# by maru33340 | 2017-11-03 10:02 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)
2017年 11月 02日

ナット・キング・コールと僕と

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グラミー賞も受賞しているアメリカのjazz歌手グレゴリー・ポーターによるナット・キング・コールへのトリビュート・アルバム『NAT KING COLE&ME』が発売されたと知り、懐かしくなり入手。

ナット・キング・コールは父が好きだったjazz歌手で、夕食後機嫌が良いときは時々ステレオで聴いていた。
父は普段は厳しい人で子どもの頃は少し怖かったけれど、音楽を聴いている時(とハーモニカを吹いてくれる時)は別人のように優しかったから、僕も父の隣でその歌声に耳を傾けていた。
その時は父がとても近くにいるようで嬉しかった。

グレゴリー・ポーターのアルバムを聴くときっとナット・キング・コール本人の歌声が聴きたくなるだろうと思い、合わせてベストアルバムも入手し何十年振りかにその曲を聴いた。
子どもの頃、何度も聴いていたからほぼ全ての曲を覚えていて、時間が一気に遡るような懐かしさで少し胸が一杯になった。
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# by maru33340 | 2017-11-02 07:07 | お勧めの本 | Trackback | Comments(6)
2017年 11月 01日

11月のヴァイス

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今日から11月。

霜月と言うだけあり一段と冷え込みが厳しい。
日中との温度差が激しいから身体がなかなかついて行かない。

最近はレオポルド・ヴァイスのリュートの音楽にはまっていて、朝起きて新聞を読んだり食事を作っている時も、帰宅してからも小さな音でBGMのようにかけている。
レオポルト・ヴァイスは、ドイツ後期バロック音楽の作曲家・リュート奏者。後年はヨハン・ゼバスティアン・バッハと親交を結んだという。

その少しメランコリックで静かな音楽を聴いていると、いつの間にか浮き世のあれこれから少し遠い世界に遊ぶような良い心持ちになる。
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# by maru33340 | 2017-11-01 08:36 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)
2017年 10月 31日

雲間に見える青空

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朝起きた時、空は一面白とグレーの雲に覆われていたけれど、次第に雲間に青空が見えてきた。

『雲のカタログ』によるとこれは「積層雲」の中の「隙間雲」と呼ばれるなかなかレアな種類の雲のよう。

昨日は各地で木枯らしも吹いたようで、今朝は愛野もグッと冷え込んでいる。

もう冬も近い。
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# by maru33340 | 2017-10-31 07:25 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)
2017年 10月 29日

台風と無伴奏

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週末毎に台風が来る。
今朝も窓を叩く風の音が聞こえ冷たい雨も降っている。

台風の音を聞いていると何故か宮沢賢治の童話『セロひきのゴーシュ』のことを思いだす。
風のゴウゴウ鳴る音が、下手なチェロ弾きのゴーシュが鳴らすゴウゴウという音を思い出させるからだろうか。

そんなことを思っていたらバッハの無伴奏チェロ組曲を聴きたくなり、フランスの往年のチェリストのポール・トゥルトゥリエ(もちろん彼は下手なチェリストじゃないけど)による演奏を棚から探しだし聴き始めた。

今日は音楽を聴きながら部屋で読書三昧の一日になりそうです。
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# by maru33340 | 2017-10-29 05:57 | お勧めの本 | Trackback | Comments(5)
2017年 10月 28日

漫画で内田百閒に再会する

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昨日出張帰りに本屋に立ち寄り偶然稀代の文章家の内田百閒を主人公にした『ヒャッケンマワリ』(白水社)という漫画を見つける。
作者の竹田昼という人は未知だし何より百閒の随筆が漫画になるのかといぶかりながらも何となく気になり入手し、帰路の新幹線の中で読み始め昨晩一気に読了。

これはとても良い本でした。

万事へそ曲がりで、文化勲章も「イヤだからイヤだ」という理由で辞退するような百閒は一方で友情に厚く教え子にも慕われた。
そんな百閒の随筆をベースに同時代の夏目漱石や芥川龍之介、宮城道夫らとの交流や日常を淡々と描いた漫画には巧まざるユーモアとペーソスが溢れる。

久しぶりに百閒の随筆を読み返したくなりました。
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# by maru33340 | 2017-10-28 07:23 | お勧めの本 | Trackback | Comments(5)
2017年 10月 26日

こんな季節には

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季節は24節気の「霜降(そうこう)」。

朝晩ぐっと冷え込み、釣瓶落としに夕陽が落ちるこの季節は少しメランコリックな気分になりがち。

この時期に聴きたくなるのは、グレン・グールドの演奏するイギリスのビクトリア王朝時代の作曲家ウィリアム・バードとオーランド・ギボンズの作品を収めたアルバム。

典雅でありながら少し哀感に染められたその音楽を、弱まり始めた朝陽が射し込む部屋で小さな音で聴いていると、心がしんと鎮まってくるよう。
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# by maru33340 | 2017-10-26 08:28 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)
2017年 10月 22日

Return to Bach

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台風接近に伴う激しい暴風雨がマンションの窓を揺らす轟音を聞きながら選挙速報と村田諒太のボクシングを交互に見る。

村田の勝利と今回の選挙の大勢が決したのを確かめてからテレビのチャンネルをEテレに変え「鈴木雅明のドイツ・オルガン紀行」を見る。

鈴木雅明の「マタイ受難曲」の演奏はステージで聴いて大きな感銘を受けたし、彼はまた優れたオルガン奏者であることは知ってはいたけれど、そのオルガン演奏は圧倒的に素晴らしいものだった。

ドイツの教会の建物の中でその音楽を聴いたら、おそらく雷に撃たれたように身体中が震えるような感動を覚えただろう。

 番組の最後に演奏された「前奏曲とフーガ ホ短調 BWV548」を(窓外で吹きすさぶ嵐に負けないよう大音量で)聴きながら、この音楽の前では人という存在は、なんとちっぽけなものだろうと思った。
 
しばらくバッハの音楽をおやすみしていたけれど、またその音楽を聴かなくては。
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# by maru33340 | 2017-10-22 23:30 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)