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昨日は節分だったから今日から立春。

ここ数日寒い日が続くけれど暦の上ではもう春だ。

最近、朝はもっばらモーツァルトの音楽を聴いているけれど、今朝はチッコリーニが85歳の時に録音したピアノ•ソナタのアルバムを聴く。

やはりとても良い。

このアルバムは昨年青柳いづみこさんの本で知って、その時僕はこんな風に書いている。

「ゆったりとしたテンポで一音一音を慈しむようにして弾かれる彼のモーツァルトは、まるで回想の中での記憶のように甘く柔らかい光に包まれている。

至福という感情はこの音楽を聴いている時間のためにあるように思えるほど、この音楽を聴いている時は日々のあれこれの愁いを忘れることができる」

やはりこのアルバムは、春の始まる休日の朝に聴くのにふさわしいようです。

立春の朝に聴くチッコリーニのモーツァルト_f0061531_07213812.jpg


# by maru33340 | 2023-02-04 07:04 | Trackback | Comments(2)
ドラマ『リバーサルオーケストラ』は最初は門脇麦がどうもこじんまりしていて天才ヴァイオリニストには見えないなあ…等と感じながらぼんやり見ていたけれど、背景に流れているクラシック音楽のアレンジがなかなか凝っていて毎回見続けている。

物語は先が読める展開だけど、音楽シーンが案外本格的で、特に田中圭の指揮姿がとても格好よく決まっていて気持ち良い。

ドラマの第4回ではチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を弾くシーンがあって、そう言えば何年か前にコパチンスカヤのヴァイオリン、クルティウス指揮による実演を聴いて以来この曲を聴いていないなあと思いだし、例の『新時代の名曲名盤』で最近の演奏を探し、ドイツのヴァイオリニストのアンティエ・ヴァイトハースがカメラータ・ベルンと共に指揮なしで挑むチャイコフスキーヴァイオリン協奏曲のアルバム(2018年録音)を見つけ聴いてみた。

それはまるで、冬の夜空に白く輝く三日月を見ている時のように清潔で冴え渡った美しい素晴らしい演奏だった。

アンティエ・ヴァイトハースはアルカント四重奏団の第一ヴァイオリニストでもあって、僕はこの団体の弾くドビュッシー・ラヴェルの弦楽四重奏団曲を収めたアルバムを長く愛聴していたから、実はこの人の演奏を長く聴いてきたわけだけど、恥ずかしながらソリストとして意識していなかった。

大学教授でもある彼女がこの演奏について語っているインタビュー記事を見つけたけれど、それを読んでもいかにこのヴァイオリニストが聡明で考え深い演奏者かということが良くわかるので、以下少し長いけれど引用します。

「(チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は)学生の時から何度も演奏してきた作品ではありますが、これまでの経験を忘れ、一から学びなおしました。彼がどのような人物で、何を感じ、何を考えていたのかを探るために書簡に目を通し、一方で新たにスコアを買い直し、ヘンレ原典版と併せて丹念に読み込むことで、チャイコフスキーのテンポやデュナーミク、アーティキュレイションの問題にあたかも新作に取り組むよう向かい合いました。とてもスリリングな経験でしたよ」

「今日に至るまでこの作品を支配しているヴィルトゥオーゾ・トラディションの呪縛から解放したかったのです。私はこの曲に、過剰な情念や巨大なヴィブラートを表出する必要性を見出しませんし、それらは音楽家としても人物としても私が考えるチャイコフスキー像に一致しません。彼はエレガントで貴族的なロシア人だと思います。と同時に自分が真に求めるように生きることができなかった悲劇的な人でもありました。私がこの作曲家について考える時に真っ先に浮かぶ言葉は、“憧れ”です。憧れ、あるいはメランコリー、そして信じられないほどの悲しみ。しかしながら、その音楽はこうした感情とは裏腹に常にエレガントでノーブルです。私は、そういった特徴をリスナーの方に明確に感じ取ってもらえるようお手伝いをしたかったのです」

確かにこの演奏は、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を新たに発見したような新鮮な歓びを感じる名盤なのでした。

「それはまるで、冬の夜空に白く輝く三日月を見ている時のような演奏だった」_f0061531_08280407.jpg





# by maru33340 | 2023-02-03 08:28 | Trackback | Comments(2)
夢の中に桃井かおりが出てきて頬杖をつきながらこんな風にぼやいていた。

「だからさあ、古楽器のモーツアルトがよくないって言ってるんじゃないわけ。そりゃあ流行りだしさあ、清潔な感じ?がするじゃない。でもさあ、なんか違うって思うわけ。モーツアルトってさあ、もっと華やかで愉しくて、何ていうの、え?、そうそう祝祭的な音楽だとあたしなんか思うわけ。その点、このグルダとアーノンクールのモーツアルトのアルバムは好きなのよ。大の大人が真剣に遊んでいる感じ?があってさ、余裕があるわけ。あんたも聴いてみれば。」

桃井かおり姉さんにそんな風に言われては聴かないわけわけにはいかない。

だから、今朝は、彼女が夢の中で手に持ってひらひらとかざしていた、グルダのピアノ、アーノンクール指揮コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏するモーツアルトのピアノ協奏曲23番と26番を収めたアルバム(1983年録音だ)を聴いていて、「やはり姉さんの言うことに間違いはなかったな」とつぶやいているわけ。

「夢の中で桃井かおりにモーツアルトのアルバムを薦められた話」_f0061531_05571768.jpg


# by maru33340 | 2023-02-01 05:58 | Trackback | Comments(5)

「北の音楽から」

最近は無性に北欧の音楽に心惹かれる。 

今年になって、ずっとシベリウスの交響曲を続けているけれども、今日はグリーグの《叙情小曲集》を聴き始めた。

演奏は2001年録音のアンスネスのピアノで。

このアルバムはグリーグが生前暮らしたトロルドハウゲンの家で、しかも晩年のグリーグが弾いた19世紀末のスタインウェイで録音されているとのこと。

そう言われると、このアルバムを聴いていると北欧のひんやりした空気と同時に懐かしさのようなものを覚えるから不思議だ。

グリーグの《叙情小曲集》といえば学生時代以来、ずっとギレリスによる演奏を聴き続けてきたけれども、アンスネスによる演奏は僕の新たな定番になりそうです。

「北の音楽から」_f0061531_05071092.jpg



# by maru33340 | 2023-01-31 05:06 | Trackback | Comments(2)
最近、寒い日が続くせいかまたシベリウスの交響曲にはまっている。

特に第一番の交響曲の魅力に改めて心を惹かれ、色々な演奏を聴き比べている。

まずは手元にあるアルバムをいくつか。
ベルグルンド指揮ヨーロッパ室内交響楽団による透明度の高い演奏は弱音が消え入りそうに儚く美しい。
爆音で有名なロジェストヴェンスキーの演奏はやはり管楽器の咆哮が半端なく凄い。
定番であるバルビローリやバーンスタインの演奏も彼らの熱くほとばしる想いがグイグイとこちらに迫ってくる。

そして、最近入手した『レコード芸術』のムック本「新時代の名曲名盤」には2000年以降の、僕には馴染みのない指揮者のアルバも数多く掲載されていて興味が尽きない。

特に感心したのはオスモ・ヴァンスカという1953年フィンランド生まれの指揮者がミネソタ交響楽団を指揮したシベリウス交響曲全集の中の交響曲第一番の演奏(2012年録音)。

この演奏はとても素晴らしい。

極めて早いテンポでキビキビと音楽が進みながら、突然テンポを落としまるで歌舞伎で見栄を切るような箇所があったりして面白いことこの上ない。
またシベリウスの民族的な要素もこの演奏では非常に感じることが出来て、とにかく最後まで耳を離せない素晴らしい演奏だ。

ヴァンスカは、他にもベートーヴェンやマーラーのアルバムも録音していて、いずれも非常に注目されているそう。

これから少しこの指揮者の演奏を追いかけていきたいと思います。

「オスモ・ヴァンスカのシベリウスに驚愕する」_f0061531_14362181.jpg





# by maru33340 | 2023-01-29 14:36 | Trackback | Comments(2)

音楽・本・映画などについての私的な感想


by maru33340
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