蘇る『七人の侍』

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今日もやはり暑いけど、映画館の大きなスクリーンでゆっくり物語の世界に浸りたい気分だったので、浜松のMOVIXまで4Kデジタルリマスター版の『七人の侍』(1954年、黒澤明監督作品)を観に出掛けた。

テレビやDVDでは何度も観ていたけれど、大スクリーンで観るのは初めて。
4Kデジタルリリマスターによって、映像も音も驚く程鮮明に蘇っていて、約3時間半黒澤明の濃密な世界を堪能した。

前半の七人の侍達の丁寧な人物描写が効いていて登場人物に感情移入出来ているから、後半の野武士の息を飲むような襲撃シーンで何人かの侍が倒される時の哀惜が深くなるし、随所に現れるユーモアが物語に余韻と深みを与えている。

早坂文雄作曲によるストラヴィンスキーの『春の祭典』を更に土俗的にしたような音楽も凄い。

三船敏郎の画面からはみ出る程の野獣のようなエネルギーはやはり唯一無二のものだし、志村喬の人間味溢れた(時に優しくしかしここぞという時には厳しい)集団をまとめるリーダーシップには見習うべき事がたくさんある。

これはやはり小津安二郎の『東京物語』と並ぶ映画史に永遠に残る傑作だなぁと(今更ながら)納得です。
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# by maru33340 | 2018-07-16 15:33 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)

初めて聴くセブラックの音楽

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あまりに暑いので(まだ外は明るいけど)家に引きこもり赤ワインのソーダ割り(アンダルシア地方では「ティント・デ・ベラーノ」(夏の赤ワイン)と呼ぶそう)を飲みながら、届いたばかりのフランスの作曲家デオダ・ド・セブラック(1872―1921)のピアノ曲(舘野泉による演奏)を聴いている。

セブラックの音楽を聴くのは初めて。

自ら好んで「田舎の作曲家」と称していた彼は、ドビュッシーやラヴェルと同時代に生きながら生涯の大半を故郷の南フランスで過ごした。

彼の音楽には、南仏の香りと気分、光と色彩(訪れたことはないからイメージだけど…)があり、どこかノスタルジックな味わいが魅力的で、ここ数日の痛いような暑さを忘れるには最適です。
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# by maru33340 | 2018-07-15 16:35 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)

物語には力があることを

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今日は休日。

外は痛いほどの暑さなので、洗濯と部屋の掃除を済ませてから家に引きこもり、川上未映子の小説『あこがれ』を読み始めたらあまりに面白くて一気に読了してしまった。

最近小説を(というより本自体を)あまり読めていなかったけれど、この小説を読んでいる間は、瑞々しい文章に導かれて物語の中に入り込み、麦とヘガティという二人の登場人物になって一緒にその時間を生きていたような気がする。

物語には、小説には、そして文章というものには、こんなにも人の心を動かし、癒し、励ます力があったのだということを本当に久しぶりに思い出しました。
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# by maru33340 | 2018-07-14 13:54 | お勧めの本 | Trackback | Comments(3)

水のゆらめきを求めて

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朝から陽射しは強く今日も暑い一日になりそう。

少しでも涼しい気分になりたくてドビュッシーのピアノ曲「映像」の中の「水の反映」(ピエール=ロラン・エマール演奏)を聴く。

ドビュッシーやラヴェルのピアノ曲からは随所に水のゆらめきを感じられるから、蒸し暑い日々の中の一服の清涼剤になるようです。

せめて気持ちだけでも涼やかに過ごしたく(^^;
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# by maru33340 | 2018-07-13 07:25 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)

「歩いたあとに道が出来る人」

ある方のフェイスブックの記事で陶芸家河井寛次郎が柳宗悦に送ったというこんな言葉を知りました。

「道を歩かない人
歩いたあとに道が出来る人」

高村光太郎の有名な

「僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る」

という言葉に意味は近いけれど「無私」を大切にした柳宗悦には河井寛次郎の言葉がふさわしいよう。

ふと、
「君は、自らの後ろに道が出来るような生き方を、してきましたか。」
(声:秋風羽織)
と静かに問われているような気がして、しばし内省す。

開催中の河井寛次郎展にも行かなくては…

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# by maru33340 | 2018-07-12 06:49 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)

時を超えた音楽

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友人が「暑中見舞いです」と言ってボロディン弦楽四重奏団の演奏によるドビュッシーとラヴェルの弦楽四重奏曲を収めたアルバムを送ってくれた。

聴き始めてハッと気がついた。
これは40年程前、まだマーラー熱に浮かされていた大学生の頃、最初に聴いたドビュッシーとラヴェルの弦楽四重奏曲の演奏だと。

このアルバムによってフランス音楽の響きに目覚め、ドビュッシー、ラヴェル、フォーレの室内楽を朝となく昼となく夜となく聴くようになった。
狭い下宿でLPでフランス音楽を聴いているとそこには日常とは別の宇宙が現れるようだった。

ボロディン弦楽四重奏団の演奏は、いわゆるフランス音楽のエスプリとは違う、まるで別の惑星の音楽を聴いているような不思議な浮遊感に満ちていて、今聴き返してみてもやはり独特の世界観を持った名演だと思います。
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# by maru33340 | 2018-07-11 05:09 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)

世界が崩れ去るような「ラ・ヴァルス」を聴く

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最近聴いているフィリップ・テュリオのアコーディオンによるラヴェルアルバムの最後には「ラ・ヴァルス」が含まれていて、面白いことは間違いないけれど、この曲はさすがにオーケストラで聴きたくなり、昨夜はジャン・マルティノン指揮パリ管弦楽団による演奏を聴き始めた。

この演奏はこの曲の持つ少し苦味のある追想の味わいを感じさせてくれて(さすがに少し録音は古くなったけど)僕は今まで聴いた「ラ・ヴァルス」の演奏の中では最も好きな演奏の一つ。

最後の世界が崩れ去るようなエンディングも迫力がありカタルシスを感じさせてくれます。
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# by maru33340 | 2018-07-10 19:32 | お勧めの本 | Trackback | Comments(2)

アコーディオンによるラヴェルは

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先日入手したアコーディオンによるラヴェルのアルバム。

初めて聴いた時はさすがにラヴェルの色彩感覚はアコーディオンでは難しいかなあ…と思ったけれど、食事を終えて少し片付けをしたりぼんやりソファーに座ってスマホを触ったりしながら(聴くともなしに)聴いていると、その静かで柔らかな響きがまるで温めのお湯につかっている時のように疲れた身体に沁みてきて「案外悪くないなあ」と思えてきます。
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# by maru33340 | 2018-07-08 19:50 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)

「しなやかで、自然で、とても好ましいブラームス」

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僕は最近コリン・デイヴィスの音楽がとても気に入っている。

今日は、先日のシベリウスの交響曲全集に続いて、コリン・デイヴィス指揮バイエルン放送交響楽団演奏によるブラームスの交響曲・協奏曲を収録したBOXを最初の一枚から丁寧に聴いている。

これはとても素晴らしい演奏で、僕がブラームスの音楽を聴くときに求める、渋くロマンティックな味わいや黄昏時のセピア色の微妙な階調を、余計な力が入ることなくしなやかで自然な呼吸で表現していて「これこそブラームス」と言いたくなる。

良いブラームスを聴いていると美味しい珈琲が飲みたくなるけれど、もう夜も遅くなってきたから、明日朝起きたらこのブラームスを聴きながら珈琲を入れようと思った。
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# by maru33340 | 2018-07-05 21:43 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)

iPhone恐るべし

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iPhoneのアプリ「siri」の音楽を聴き取る能力が凄いと聞き、グレン・グールドにによるバッハのフランス組曲をかけながら「この曲は何の曲?」と尋ねた。

「もう少し聴かせてください」と答えて数秒してから画面に正しいアルバム情報が表示された。

何枚かCDを変えてみたけれど間違うことは(ほぼ)ない。

もしかすると今AIは凄い所まて来ているのかも知れません(*_*)
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# by maru33340 | 2018-07-04 06:16 | お勧めの本 | Trackback | Comments(4)

音楽・本・映画などについての私的な感想


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