2009年 02月 15日
『自分の仕事をつくる』(西村佳哲著、ちくま文庫)
大学を出てから今の会社に入ってもうすぐ27年になる。
その間「まあ、こんなもんだろう」と何とかやってきたけれど、50歳を目前に控えて、ふと「大きな不満もないけれど、大きな充足感もない今の生き方を続けていて果たしていいものか」という問いが頭を掠めるようになってきた。
そんな時この『自分の仕事をつくる』という本を読んだ。
この本は「仕事とは何か」「良い仕事はどこから生まれるのか」「仕事を自分の仕事にするためには何が必要なのか」という問い掛けを胸に、著者がさまざまな「良い仕事」の現場を訪ねたインタビューと思考の記録。
随所に今自分が漠然と感じている問いへのヒントがある。
この本には答えは書いていないけれど、おそらく読む人の数だけヒントはあるはずだ。
例えば今の僕の胸に響く言葉は次のようなもの。
・「こんなものでいい」と思いながらつくられたものは、それを手にする人の存在を否定する。
・この世界は一人一人の小さな「仕事」の累積なのだから、世界が変わる方法はどこか余所にあるのではなく、じつは一人一人の手元にある。多くの人が「自分」を疎外して働いた結果、それを手にした人をも疎外する社会が出来上がるわけだが、同じ構造で逆の成果を生み出すこともできる。