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『洲之内徹が盗んでも自分のものにしたかった絵』(求龍堂)

洲之内徹さんの『気まぐれ美術館』のシリーズは一時随分愛読していて、その全てを持っていたけれど、何度か転勤を繰り返しその都度本を整理している間に手放してしまい、今は手元には文庫本しか残っていない。
もちろん文庫でもその文章は読めるけれど、元のハードカバー(毎回形態が異なる)で読んだ時の、ジンワリ心に残る感じは少し薄まってしまう。
昨日、銀座の教文館で『洲之内徹が盗んでも自分のものにしたかった絵』を見つけ、帰りの電車の中でパラパラと眺めていて愕然としてしまった。
この本は、いわば『気まぐれ美術館』からの絵と文章のアンソロジーなので、ほとんど見覚えがあるだろうと思っていたのに、これが大半覚えていなかった。
あの愛読したという時間は何だったのか、と一瞬思った。
しかし、このアンソロジーの文章は、今読んでみて、どれも昔以上に心に染み、絵はどれも興味深い。
時間は僕に忘却とともに成熟を与えてくれたのだろうか。
もう一度、洲之内さんの本を古本屋で買い直して、これから読み返してみたい。
もしかすると、若い時に読んで気がつかなかった事を、再読の中で発見するということは、歳を重ねる事の最高の贅沢なのかも知れない。
by maru33340 | 2009-02-27 08:42 | お勧めの本 | Trackback | Comments(0)

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by maru33340
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