2009年 09月 19日
クレンペラーのマーラー交響曲7番
今月そのCDが12年振りに再発売され、早速購入。
今日聴き終えて、これは本当に凄い演奏であると改めて実感した。
第1楽章からして、異常に遅く暗く重い。
巨人が中欧の深い森の中を、足を引きずりながら一歩一歩歩いているようなテンポが、時々停止もする。
これは果たして音楽なのか、とさえ思う。
2楽章の深い美しさ、3楽章のスケルツォの不気味なテンポ、4楽章の思いがけない抒情的表現を経て、とうとう終楽章に至ると、何かの間違いではないかと思うほど遅いテンポでロンドが始まる。
その演奏は力強いのを通り越して、暴力的な程。
一般にマーラーのこの7番は、まとまりがなく聴き通しにくいと言われるけれど、このクレンペラーの演奏で聴くと、あっというまの99分が過ぎていく。
いやはや、恐るべしクレンペラー。