2009年 12月 02日
謎かけシューマン
シューマンの交響曲とかけて
上質の煎茶と解きます
その心は
どちらも「にごり」が決め手です
おあとがよろしいようで、と引っ込んでは愛想がないので、少し補足を。
今マイブームのシューマン交響曲の聞き比べ。
一番「春」、三番「ライン」と来て、数日前から、シューマンの交響曲の中でも演奏機会が少ない二番を聴き始めた。
確かにこの曲は、「春」や「ライン」のように冒頭から聴くものを引き付ける演奏効果に薄く、大変渋いちょっと取っ付きにくい曲だ。
ちょうど吉田秀和さんが、この曲について、「始めは冒頭の一楽章から順に聴くのではなく、まず二・三楽章を先に聴いてから、一・四楽章を聴くと、この曲の構成がよくわかる。」と書いているのを読んで、なるほどと思い、教えに従った。
演奏は、スイトナー、パレー、noanoaさんお勧めのコンヴィヴィンチニーの三種を聴いた。
すると確かに最初は取っ付きが悪かったこの曲が、今まで聴いた三つの交響曲の中で、実は1番シューマンらしい素晴らしい交響曲であることが次第にわかってきた。
三楽章の暗いロマンティシズムは、シューマンが見つめたライン川の水面を彷彿とさせるし、二楽章のスケルツォは彼の揺れ動く内面を思わせる。
一・四楽章の多分にベートーベンを意識した構築的な楽章は、シューマンの努力にも関わらず随所にロマンティシズムの弱さと綻びがほの見えて慄然とする。
なにより、シューマン特有の音の重なりがもたらす「にごり」が、彼の心の動きを思わせ、この交響曲の最大の魅力になっている。
これは、私小説ならね、シューマンの「私交響曲」なのかも知れない。
2番・・・確かに、僕にも記憶がありません。どんな曲だったかろうかあ、と思いました。そういう聴きかたしてみます。といいながら、まだ交響曲を買っていません。年内には制覇したいなあ。