2010年 06月 21日
『フェルメールの楽器』(梅津時比古著、毎日新聞社)
こんな文章がある。
「森のなかの常緑樹の葉の上に、まだ雪が残っているとき…。その白い連なりを見ているとシベリウスの音が聴こえてくる。冷たい空気を、静寂によって切り裂いてゆくような音。
あるいは、温かくなってからの風のなかに混じる花びらや土ぼこりからも、または夏の名残の海辺の残光からも、いろいろな音が、さまざまな変化を伴いながら、届いてくる。」
こんな文章で書かれた音楽評が何篇か。
ゆっくり大切に読みたい一冊だ。
2010年 06月 21日
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