2010年 09月 05日
『街場のメディア論』(内田樹著、光文社新書)ノート
内田樹氏の本は新刊が出る度にほぼ購入している。
普段と感じていることをスッキリ言葉にしてくれる快感があるからだ。
この本では、著者は現在のメディアには「先がない」と語りその理由を次のように述べる。
「メディアは正義を予め決められた“定型”で語る。つまり、メディアでは、個人は責任を取らない。最終的にその責任を引き受ける個人を持たないような言葉はそもそも発せられる必要があるのか。…言葉の重みや深みというのは、それを書いた個人が、その生き方そのものを通じて”債務保証“するものです。…僕たちが今読まされている、聞かされている(メディアの)文章のほとんどは、血の通った個人ではなく、定型が語っている。」
つまり、メディアは一見庶民の代表のような顔つき、言葉づかいをしてみせながら、実際には何も語っていないに等しい。
他にも今回もまた眼から鱗が落ちるような見解が多数ありますが、詳しくは本書を。
一気に読めてためになること、請け合います。