2010年 10月 25日
バラード 沈黙と革命の間
今まであまり聴いてこなかった4曲のバラードには、沈黙に等しい程の内省と心の内側からほとばしる情熱が混在となった幻想的な味わいがあり、どこかシューマンを思わせる狂気の萌芽も感じられる。
演奏はアシュケナージで。今まで何となく中庸で面白みには欠けるような気がして、この人の演奏を聴いてこなかったけれど、確かに一見奇面人を驚かすような所はないけれど、ショパンの書いたものは全て過不足なく美しい音で表現している。その意味で、アシュケナージはルービンシュタインの正統な後継者かも知れぬ。