2011年 04月 05日
小津安二郎『東京物語』再見
先週の土曜日、葉山での研修を終え北鎌倉に住む友人宅に泊めてもらったのだが、そこが築80年の日本家屋で、まるで小津の映画のような世界。
たまらなく小津の映画が見たくなり、翌日丸の内の「丸善」に立ち寄り、小津安二郎の映画9本を収めたDVDを購入したばかりだった。
そんなこともあり、そのシンクロニシティに驚いてしまった。
久しぶり見る『東京物語』は涙が出る程懐かしい映画だった。
今回深く印象に残ったのは、登場人物が立ち去った後の人気のない部屋のシーンの持つ佇まいの美しさ。
そして、原節子が畳から立ち上がる時につく手の仕草の優美さと、彼女の白いシャツ姿を斜め後ろからとらえたショットでのハッとする程の清潔な色気。
久しぶりにゆるやかに流れる小津映画の時間を堪能し、少し研修の疲れが癒えた。